満足度★★
ダンスが活躍する朗読劇
病気で余命わずかの少年が毎日神様に手紙を出すという物語をダンスと生演奏を交えた朗読で描いた、静謐な作品でした。
病院のベッドに横たわるオリバーと、その横で丸椅子に腰掛けるボランティアのローズの会話を中心にして展開し、次第に神様に対してのモノローグになって行く物語でした。
実際には短い生涯ながら、1日を10年と思って過ごすことによって擬似的に100歳以上まで生きて人生を全うすることによって、日々のかけがえのなさを感じさせる内容でした。
涙を誘う話だとは思いますが、個人的には好みではなく共感できませんでした。
平山素子さんの振付による中島周さんのダンスはオリバーの胸の内を表現していて美しかったです。特に最後のシーンは神聖さを感じさせる照明の中で魂が浄化されて行くかのようで、素晴らしかったです。
ヴォーカリスト2人とピアニストによる音楽は基本的に歌詞なしで、朗読の邪魔をせず控え目な感じでした。歌だけでなく、声やクラッピングで効果音を担っていたのが印象的でした。
音楽とのバランスを取るためか、朗読者2人のマイクのレベルが高めで、自然な感じに聞こえなかったのが残念でした。