亀、もしくは・・・。 公演情報 札幌座「亀、もしくは・・・。」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    不気味かと思ったらなかなかユニークな展開もあり
    初見。
    劇団構成を一新、劇団名も改名し、役者も北海道在住の劇団演出家達が集合して上演した今作。出演者全員演技が達者だった。
    なんだろうなー、文化都市に根付いている劇団の大らかさ、みたいなのが見ていて心地よかったです。

    頑丈な扉と壁、天井にはスピーカーがある病院の一室で繰り広げられる60分。
    タイトルとあらすじ読んだら、なんか不気味な雰囲気かも?と思っていたら、誰がどこまで真実を話しているのか、時折緊張感に襲われそうになるが所々にゆるーく笑える部分もあり。見ているだけでヨダレが出そうな美味しそうな場面の会話は何ともユニークでした。

    ネタバレBOX

    冒頭、部屋には一脚の椅子と片隅に拘束衣。医師と看護士が部屋にいるがその医師に穏やかに語りかける看護士はどうやら同性愛者らしい。それとない彼の告白に戸惑う医師。
    ひとまずその場から離れる看護士の後に紹介で実習にやってきた医学生登場。医学生の登場に戸惑いつつも状況を把握した医師は、医学生に危険な患者の存在を告げそのまま退室。入れ替わるように看護人が現れるが医学生を患者と思い、「自分は亀だ」と説明した途端、「いや、俺も亀!」と医学生と看護士の間でどちらが本当の亀なのか、身体のぶつかり合いが繰り広げられる。大騒ぎでドタバタしつつ看護士退室後、そこへ第三の男登場。
    男は医師こそが患者だと告げたため、困惑する医学生、男は医学生に拘束衣をまんまと着せるが、会話の内容からどうやら冒頭の医師が言ってた危険な患者ってもしや‥!? で、恐怖にジタバタする拘束衣の医学生。

    この不穏さから来る結末にワケが分からなくなっていくが、暗転の後、部屋にチラシと同じ長椅子が置いてある。そしたら奥から何とも美味しそうな香りが‥。
    開放された扉から患者、医学生、看護士、医師4人の男が頭に針金ハンガーを被り、奇麗に着席。お皿に盛ったパンとビーフシチュー?を食べながら、そこまでのやり取りを明るく話し合う。まるで子供がお遊びを自慢しあうようだが、でもそこは精神病院の一室。本人達はどこまで自分達が置かれている立場に気づいているのか、はたまた閉鎖した施設内で毎日違う設定をただ楽しいんでいるだけなのか。そのやりとりは妙に明るさがある。
    深刻に考えるか、寛容な精神で彼らの行動を受け入れるか、見ている自分の度量が試されているような着地点。
    面白かったです。

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    2012/09/16 01:21

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