ワタシんち、通過。のち、ダイジェスト。 公演情報 マームとジプシー「ワタシんち、通過。のち、ダイジェスト。」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    ちょっと長すぎた
    「今日マチ子さんとジプシー」に続いて二度目のマーム。面白かったし、リフレインの手法に飽きたということもなかった。

    一時期の野田秀樹が言葉遊びの可能性を徹底的に追求していたように、一時期の平田オリザが同時発話を追求していたように、今の藤田貴大はリフレインの手法を追求する時期なんだろう。でも、ちょっと上演時間が長すぎた。80分くらいにまとめてあったら、五つ星。

    ネタバレBOX

    テーマは、家の解体。別にいいけどスケールは小市民的。110分かけて描くほどのことじゃない。

    別の観点から。マームの劇は、物語というよりは、音楽やダンスのようなものだ。いくつかのモチーフ(旋律や振り)を提示し反復・変奏しクライマックスに向けて構成する。マームの場合、モチーフはリフレインされる記憶の断片ということになる。いったい、110分の緊密な構成というのは、無理じゃなかろうか。110分って、交響曲なら長いので有名なマーラーの3番。観客が「一つの抽象的な時間構成体」を楽しめる限界だ。

    リフレインされるシーンも途中まではどんどん強度が高まっていったが、途中からすり切れてしまった面が否めない。いったん俳優の感情をピークアウトさせてから、落ちついたトーンでまたリフレインするとか、違うコンテキストのなかでリフレインするとか、いろんな試みがあったけれども、どれほど効果があったか。

    要するに全体の時間を短くしたら問題は解決する。逆に110分の充実した演劇体験をぼくらに与えたいなら、物語の要素を倍くらいにふくらませないといけないんじゃないか。それは、ここまで洗練させてきた従来の手法と両立可能だろう。そういうのを次は観たい。

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    2012/09/14 03:53

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