14の夕べ / 14 EVENINGS 公演情報 東京国立近代美術館「14の夕べ / 14 EVENINGS」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    村川拓也鑑賞
    昨年のF/Tで上演された『ツァイトゲーバー』の再演で、障害者と介護者、パブリックとプライヴェート、現実と虚構等、様々な観点で考えさせられる作品でした。

    村川さんが登場し、少し作品の説明をした後、「メンバーが1人足りないので、誰か出演していただけませんか?」と呼び掛け、立候補する人がいて、4つの指示をした後にパフォーマンスが始まりました。

    全身不随で、目の動きでしかコミュニケーションを取れない「藤井さん」(立候補した観客が演じました)と、ヘルパー(実際にヘルパーの仕事をされている方が演じました)の通常をそのまま舞台に上げたかのような体裁でした。
    藤井さんに話し掛けるときだけマイクを用いたり、パイプ椅子を車椅子に見立てる以外は小道具を用いずに振りの演技をしたり、村川さんがステージの角にずっと座っていたりと、フィクションであることを意識させる仕掛けが周到に用意されていて、現実と虚構が入り混じった不思議な緊張感とユーモアが感じられました。

    藤井さん役の方への指示の1つは、60分間の上演中に自由なタイミングで4回、自分の願い事(この方は「自由な時間が欲しい」でした)を言うというもので、実際その言葉を発するのですが、ヘルパーは全く気に留めずに淡々と機械的に作業を進めていて、その残酷さが衝撃的でした。

    展示室の一角にステージと客席を組んでいて、それ以外の使われていない空間の方がはるかに広く、最後にそこをヘルパーが帰っていく足音が延々と響いていたのが印象的でした。

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    2012/09/07 12:49

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