いい嘘、悪い嘘 公演情報 山田ジャパン「いい嘘、悪い嘘」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    嘘とホラ
    後から思い出しても、すぐに役名と役者名が結びつくのは
    濃いキャラ設定と役者陣の熱演の賜物だが(親切なパンフもある)
    個人的にはもう少しリアルな嘘の方が笑えたかと思う。

    ネタバレBOX

    下町のカフェ&ケーキの店で
    貧乏劇団の座長でもある店長と座員、常連客たちが
    即席ウソ劇団を結成、出張演劇の依頼に応えてミッションに挑む。
    「不倫の恋人と別れたい・・・」

    嘘が嘘を呼び、嘘に嘘を重ねて話はどんどん拡大していく。
    SPに守られたり、爆弾処理したり、果てはゾンビに宇宙人・・・。
    ゾンビ辺りから、その嘘の大きさについていけなくなってしまった。
    誰も騙されない嘘って、それは嘘じゃなくてホラじゃないだろうか。

    ハタから見る嘘の面白さとは、
    “小さなウソが次第に自分の手に負えなくなっていくさま”ではないかしら。
    悪気どころか、良かれと思ってついたささやかな嘘が身の破滅を招いたり
    収集がつかなくなってパニックになったりするところが可笑しいのだと思う。

    早々にありえない方向へ行ってしまうと、もうあとはハチャメチャしかない。
    それもひとつの面白さだろうと思うけれどこのストーリーは、
    親子が互いに素直になったり、芝居を諦めるという主人公を説得したり、
    不倫の精算も不器用ながら誠実だし、誰もが生きることに真摯だし・・・と
    “ちょっといい話”がラストにあるのでなんだか勿体ない気がする。

    この力技みたいな脚本に役者陣はよく応えていて
    天然石のブレスレットを売る会社員高橋(小林大介)や
    シングルマザーの美里(相原美奈子)などはキャラに無理なくはまって
    台詞もよくなじみとても面白かった。

    しかしウッディシアター、詰め込んだねえ。
    小さい座布団が重なるように並べられて
    常に隣の知らないオヤジと腿が触れ合う1時間30分。
    もう少し快適な観劇環境を提供することも考えていただけたらと思った。

    0

    2012/08/30 02:24

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大