ゴミくずちゃん可愛い 公演情報 ぬいぐるみハンター「ゴミくずちゃん可愛い」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    元気をもらった
    初めて、ぬいぐるみハンターの作品を観劇。とても元気をもらえた。

    ネタバレBOX

    近未来。
    東の方の最果てに、かつて夢の谷と呼ばれたゴミ谷があった。
    世界中から飛行機に乗せて落とされる鉄の雨=ゴミによって
    ゴミ谷は、いつしかゴミの山となっていた。

    生まれて間もなくゴミと一緒に捨てられたゴミ(浅利ねこ)と
    同じ頃にゴミ谷で生まれたソニー(満間昂平)、
    彼女らを取り巻く人々の物語。

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    ゴミの登場から冒頭のダンスは、キレキレで良かった。

    全体的にテンポ良く、疾走感があり、2時間15分でも飽きが来ない。

    中央に丘のように置かれた、
    地球を模した球面のみを舞台装置として
    そこを中心に走り回り、動き回る。
    ゴミがなくてもそこはゴミ谷に見え、
    まるで宇宙を通して地球、世界全体を見ているようだった。


    戦争、平和、企業同士の争い、デモ…
    どれも難しいテーマだが、どんなに理屈やシステムが難解でも
    ゴミの元気さ、明るさ、可愛さが吹き飛ばしてくれる。
    彼女が活き活きとしていると、
    ゴミ谷でも楽しい場所なのではと感じさせられる。

    けれど世界の最終処分場であるゴミ谷は、目的地ではなく、
    一つの通過点に過ぎないと感じた。

    ゴミ谷にやってきた、アスナロ(猪股和磨)、イチノセ(川本直人)、
    スナフキン(平舘宏大)。

    脱走兵のアスナロは、召集令状をもらい、
    自分が必要とされていることを感じ、戦場に戻っていく。

    旅人のスナフキンは、探していた恋人ポルノ(富山恵理子)と奇跡的に再会し、
    世界に戻っていく。

    戦場カメラマンのイチノセは、世界を捉えるため、写真を撮っていたが、
    ゴミにカメラを通してみる世界の素晴らしさを教え、
    ゴミを外の世界へ導いていく。

    劇中、ドク(江幡朋子)が「ここ(ゴミ谷)は長くいる場所ではない」
    と何度か言っているが、
    皆、きっかけがあれば、自分のいる小さな世界から、
    外の大きな世界へ飛び出していけるのだと、
    言われているような気がした。

    ラスト、18歳を待たずにゴミは死んでしまう。
    ゴミの誕生日にみんなが集まって記念写真を撮るところに、
    ふらっとゴミが現れて一緒に写真に納まる様が、なんか良い。


    キャストは全て魅力的。

    主役のゴミは言わずもがな、浅利ねこのパワーに下支えされ、
    誰からも愛されるヒロインになっていた。

    ゴウトクジ(浅見紘至)は、気味悪さ全開で出てくるだけで笑いが起きる。
    それに真っ向からクニマツ(工藤史子)が自由なおとぼけのツッコミをかまし、
    時折、コムスビ(橋口克哉)くんへ振り、終始、笑いが絶えないトリオだった。

    荒っぽいけど、面倒見の良いサソリ(佐賀モトキ)と
    誰もが頼れる存在のドクというのも物語には必要なポジションだと思った。

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    2012/08/29 09:01

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