14の夕べ / 14 EVENINGS 公演情報 東京国立近代美術館「14の夕べ / 14 EVENINGS」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    東京デスロック鑑賞
    ここ数年間、東京での公演をしてこなかった東京デスロックの久々の東京、しかもある意味東京の中心である皇居のすぐ近くでの公演で、『Rehabilitation』と題された作品は、パフォーマンスを通じて東京について考えさせる刺激的なものでした。

    近代美術館の展示室内に方向性を持たせずに雑然と置かれた椅子に観客が座り、冒頭に『君が代』が流れた後、3方の壁に心理カウンセリングのアンケートような質問50個が次々に映された後、「Where did you come from?」と表示され、男女2人ずつの役者が順番に観客の間を縫って歩きながら自分の出身地について語るシークエンスが続きました。
    映像で観客に部屋の中央に集まるように指示されて、すし詰め状態の中を役者達が無理矢理通りながら東京の電車の混雑の酷さを語っていたのがユーモラスでした。
    次に出身地別に部屋の周囲に移動するように指示があり、移動し終わったところで演出の多田さんがマイクを持って登場してゆるい感じの挨拶があり、後半は4人の役者による出身地ネタのフリートーク形式で進み、君が代の変奏曲が流れる中、1人が他の3人に盆踊りを教える流れになって音頭が流れ、さらに途中からそこに「再稼働反対」と訴える脱原発デモの声が重なり、『東京音頭』に曲が変わり「Shall we dance?」「stand up?」と字幕で煽っても立って踊る人がいなかった(たぶんそれも織り込み済みだったと思います)流れは、大多数側に乗っかっておこうとする今の東京の人の姿を象徴しているようで印象的でした。
    最後はまた50のアンケートが映し出され役者達がそれぞれ「はい」、「いいえ」と答えて行き、東京に住むことについて考えさせられました。

    美術館での無料イベントで普段とは異なる客層も多い中、90分以上あるエッジーな作品を上演した姿勢が素晴らしく、客席大移動や8面映像投影といった、美術館の広い空間を活かした表現が良かったです。

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    2012/08/27 09:28

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