INDEPENDENT:FUK 公演情報 NPO法人FPAP「INDEPENDENT:FUK」の観たい!クチコミとコメント

  • 期待度♪♪

    一人上手と呼ばないで
     「最強の一人芝居フェスティバル」と謳っているが、出演者は公募によるもので、本当に最強メンバーが揃ったのかどうか。結局は観てみなければ分からない。
     実績があるわけでもないのに大口を叩くと、それは得てして大言壮語、誇大広告、羊頭狗肉となるものだ。過剰な期待は禁物だろうと思う。企画意図が見えにくいと言うか、なぜ「一人芝居」に特化させなければならないのか、それがよく分からないのである。
     まして、こちらはディディエ・ガラスにイッセー尾形という世界でもトップレベルの創造性に満ちた一人芝居を観た後だ。それ以上の「最強」とやらを見せてくれるというのだろうか。
     どんなに年季を積もうと、観客の想像力を喚起しない一人芝居は独り善がりなものにしかならない。吉行和子などは何十年も一人芝居を演じたが、下手に周りがおだてるものだから、「観客のいない一人喋り」のままで固まってしまった。贔屓が役者を殺した典型的な例である。今回のフェスティバルもそういうテイタラクにならないか、実は不安の方が大きい。
     ただ、今回は「柿喰う客」の玉置玲央の一人芝居がある。脚本、演出も主宰の中屋敷法仁で、一応、「柿喰う客」の本公演に準じるものと呼んでよかろうと思う。『ゴーゴリ病棟』は福岡の拙い役者に足を引っ張られて「守りに入って」いた感が強かったので、あれを中屋敷氏の演出の限界とは判断しきれない。観客に対して挑戦的になった時にこそ、中屋敷演出は本領を発揮すると思う。そこに期待したい。

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    2012/08/10 21:08

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