ポンポン お前の自意識に小刻みに振りたくなるんだ ポンポン 公演情報 ハイバイ「ポンポン お前の自意識に小刻みに振りたくなるんだ ポンポン」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    笑ったけど、実は最初から、なんか泣けた
    物語の展開ももちろんだが、役者のうまさに脱帽。

    そして、やっぱ、最強の友だちがいたのって小学生の頃だったかも、と。

    ネタバレBOX

    ファミコンのマイクを使った前説から、ニヤついてしまう。いい意味で脱力した。

    そして、ファミコンやってる、いい歳した半ズボンのおっさん2人が、どうやら小学生ということで、さらにニヤけてしまうのだが、すぐに12歳の小学生に見えてきてしまう。
    それを見て、ふいに泣きそうになってしまう。

    ファミコン世代とかではないのだが、小学生の頃に体験したかもしれない、どこかにしまってあるような、柔らかい記憶に触れてきて、いろいろと蘇るようだ。

    友だちなのに、あるいは友だちになりたいのに、どうもうまく接することができなくて、もじもじしてしまうような感覚とか、大人の理不尽さに接しても、何もできない無力さとか、そんな、あった(かもしれない)記憶とリンクしていく。

    にしても、あのゲーム屋のオヤジ酷いなぁ。見ていてホントに悔しくなってしまった。

    そして、劇団の稽古の様子は、面白すぎ。
    岩井秀人さんがうますぎる。
    もちろん自分が自分の呼吸で書いた台詞ということもあるかもしれないのだが、それにしても、ポンポンと出る台詞のタイミングと発する勢いが、本当に素晴らしい。

    コンビニのエチュードからの展開や、吾郎の母から「あんな劇団やめちゃえば」と言われて、欽ちゃんの母が、「そういうのが好きだ」というあたりもツボ。

    吾郎が父とふざけあっている姿は、身体は吾郎のほうが父よりも大きいのだが、まさに小学生の父と子に見えた。
    ダメダメな父なのだが、とにかく優しいところが哀しいほど。父と子、そして夫婦の関係が、じんわりと見えてくる。いい家族だなーと。欽一の家もいい家族なのだ。

    吾郎を演じた荒川良々さんも、たまらないぐらいいい。もじもじさが、小学生の頃の自分を見ているようで、また泣けてくる。

    吾郎のダメな父が、ゲーム屋に乗り込んだり、ラストの欽一の行動などは、甘い展開なのかもしれないのだが、それでもいいのだ。
    特に欽一の、あの行動にはグッときてしまった。欽一のちょっと誇らしげな表情と、それを見た吾郎の表情の良かったこと!

    中学、高校と上がるたびに、ヘンな分別が付いてしまったり、外聞だけを気にしたりするから、友だちだとしてもあそこまではなかなかできない。それに比べると小学生の頃は、本気であんなことができたような気がする。
    小学生の頃の友だちって、特別で、最強だったなあと思い出したりした。

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    2012/08/01 07:22

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