主たちの館 公演情報 E-Pin 企画「主たちの館」の観たい!クチコミとコメント

  • 期待度♪♪♪♪♪

    あなたも名探偵になれるかもしれない
     『十角館の殺人』に始まる綾辻行人の「館」シリーズのファンは多いだろう。何と言っても、「新本格ミステリー」の旗手として活躍、現在に至るミステリーブームを築いたのは、綾辻行人を初めとする京都大学推理小説研究会出身の面々なのだ。綾辻行人がいなければ、『金田一少年』も『名探偵コナン』も生まれなかったと断言して構うまい。
     「館」シリーズは全十作を予定して、現在九作まで発表されている。今回の舞台は、その番外編とでも言うべきものだ。館シリーズの作者その人が「館」の中で殺される(かもしれない)。ミステリーとしてだけでなく、セルフパロディのコメディとしても楽しめそうな雰囲気だが、やはり心が躍るのは、我々観客がこの事件の「探偵」として推理を競い合うということである。
     そんじょそこらの推理クイズのレベルではない。「犯人」は毎回、その知力を尽くして「レッドヘリング(罠)」を仕掛けてくる。欺かれた我々は地団駄を踏み、ゲームの仕掛人たちはしてやったりと快哉する。これまでのミステリーナイトも決して簡単な謎ではなかったのだが、今回は特に「難しい」とは、企画・構成の城島和加乃氏の弁。参加を決めたものの、正直、真相に辿り着ける自信は全くない。
     しかし、そこに「山」があるならば、登らなければならない。「壁」があるなら破壊しなければならない。ミステリファンにそう思わせるだけの密度の濃さが、ミステリーナイトにはあるのだ。まるまる一泊で25,000円以上の大出費、しかも“本当に眠る時間もない”ハードスケジュールにもかかわらず、リピーターが続出で、チケットもほぼ即日完売という大人気企画なのである。
     あまりの人気の高さに、今回、福岡公演は、追加チケットの販売も決定した。まだ間に合う。ミステリファンを自負するならば、これは絶対に観逃せな……、いや、「参加」しないではいられないはずだ。グランドホテルに集えかし。

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    2012/08/01 02:23

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