しみじみ日本・乃木大将 公演情報 こまつ座「しみじみ日本・乃木大将」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    風間さん、お疲れでしょうか?
    予備知識なく行ったので、まずこういう設定のお話だったのかと、ちょっと驚きました。

    アイデアがいいですね。

    縦横無尽な吉田さんの快演ぶりに比べ、主役の風間さんが、お疲れなのか、台詞をとちったり、動きが鈍かったりで、ちょっと心配になりました。

    元宝塚の朝海さん、香寿さんには、愉快な見せ場が用意されていて、ファンの方には嬉しい場面だと思いました。

    出演者の年齢も高く、題材も題材だけに、還暦間近のこの私が、最年少かと思うような客層には、ちょっと残念感がいっぱいでした。

    囃し歌など、ちょっと長過ぎるようにも感じましたが、作者が亡くなってしまったのですから、もっと短くというのは無理な注文ですね。


    ネタバレBOX

    乃木大将と夫人が退場した後、3頭の馬の中から、6人のベテラン俳優さんが次々と顔出しした時には、ビックリしました。そして、その中に、乃木大将だった風間さんもいらしたから…。してやられたりの快感あり!

    馬の前足と後ろ足が、それぞれ、自己主張したり、違う馬と徒党を組んだり、面白おかしく見せながら、徐々に、この芝居の本質に気づかせて行く、井上さんの構成とアイデアに唸ります。

    風間さんは、ちょっとお疲れ気味でしたが、その他の役者さんが、それぞれ、楽しげに、役を演じていらして、それを拝見しているだけで、幸せな気持ちになれました。

    特に、吉田さん、山崎さん、大石さん、根岸さんが、与野本町から、テイクアウトしたいくらい、素敵な演技を見せて下さいました。

    7、千田少尉の報告場面の、朝海さんの児玉源太郎、香寿さんの山県有朋は、宝塚男役様式で演じれらるので、塚ファンの方には、ご馳走場面だったと思います。
    9、将軍たちのお茶の会のシーンでも、お二人の宝塚演技は、大ウケします。
    朝海さんは、退団されてからの女性役しか存じ上げなかったのですが、意外にも男役の方がキャラ立ちされる方なんだと認識しました。

    最初はぞんざいに扱われていた連隊旗が、天皇の分身として、崇められる対象に変容して行く様は、喜劇タッチでありながら、深く考えさせられる問題をたくさん含んでいたように思います。

    改めて、こういう難しいテーマを、笑いに転じて、観客に提示できる稀有な劇作家が他界されてしまったことが、心から無念に思えてなりませんでした。

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    2012/07/27 20:44

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