しみじみ日本・乃木大将 公演情報 こまつ座「しみじみ日本・乃木大将」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    ラストはしみじみ
    よくこんなことを思いつくものですね。

    ネタバレBOX

    みんなから無能呼ばわりされていた乃木大将、天皇に心酔していた乃木大将、そんな彼がこれから殉死するであろう理由を馬の前足と後ろ足が探っていくお話。

    馬にも上品な馬もいれば下町職人風な馬もいて楽しく、また前足が偉いとか後ろ足が大事だとか、こっちの方も笑ってしまいました。

    乃木大将がはけて、前足から風間杜夫さんが出てきたときはあっと驚きました。うっかりさんでした。その風間さんですが、途中から噛みまくりで吉田剛太郎さんからも突っ込まれ、そんな日もあるとはおっしゃっていましたが、私も非常に不満足でした。ラストシーンで馬を被るときももたもたしていて正直今一でした。

    西南戦争植木坂の戦いで乃木希典が軍旗を奪われたことによって、それまで重要視されていなかった、というよりむしろ邪魔者扱いされていた軍旗が天皇の分身の地位にまで高められたこと、そして死にたがっていた乃木を思いやり、不始末の代償として彼の命を天皇が預かったこと、これが殉死の要因でした。

    大臣がコメントするときなど日本国旗に頭を下げないと批判される風潮はこのときに作られたのだと思いました。それ以前は、お芝居ではお茶がこぼれたときに軍旗で拭くくらいの扱いでした。それもどうかとは思いますが、旗が偉いわけじゃない、それくらいのおおらかさを取り戻してほしいですね。

    乃木は大逆事件の管野スガが乗せられた馬車とすれ違った際に鼻で笑ったそうで、これに怒った赤虻が乃木の愛馬を刺して乃木は落馬したそうな。様々なエピソードを混じえて話は進みます。

    宝塚ネタを宝塚出身者お二人でやられると、ホント笑ってしまいます。

    大喪の礼の大砲の音が聞こえる中、乃木夫妻が殉死したであろう様子が窺い知れるとき、しみじみしました。

    ところで、セリフの中で早急をそうきゅうと発音していました。そうきゅうと言う人も多いのが現実ですが、日本語を大切にしていたと思われる井上ひさしさんのことですから、ここはさっきゅうだろうと思いました。

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    2012/07/23 19:50

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