私(わん)の村から戦争が始まる 公演情報 非戦を選ぶ演劇人の会「私(わん)の村から戦争が始まる」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    沖縄が身近に感じられることの大切さ
    私は、同年代の友人の中では、比較的、ニュースも見て、世の中の動きにも敏感な方だと思うのですが、それでも、沖縄には足を踏み入れたこともなく、時々、ニュースで報道される範囲でしか、沖縄問題を考える便のない人間です。

    ですから、こうして、リーディング芝居の形で、目の前に具体的に提示して頂けると、自分の身に摺り寄せて、頭で感じ取ることができて、本当に、行って良かったと思いました。

    ちょうど今日、高江のヘリパット建設工事が再開されてしまったそうで、アフタートークで、宮城さんが、解説して下さった、「こういう場合、指示した防衛局は責任を取らず、クレーン車を運転した人だけが、免許停止にされて、責任を被せられることになる」というお話に、先日、ある、助成金をもらっていた演劇団体が、俳優一人に責任を押しつけた構図と全く同様だなと、国という巨大組織も含め、組織というものの、冷徹巧妙な非人情さの様々な具体例に、やるせなさばかりを感じました。

    ネタバレBOX

    「オスプレイ」という言葉を何故最近になって、急に耳にするようになったのか、理由がわかりました。
    ずっと、昔から決められていたのに、先月初めて、沖縄にオスプレイを配備する計画が、住民に知らされたのですね。

    TBSで放送した「運命の人」のお陰もあり、大分、沖縄の歴史と現状を理解したようなつもりでいましたが、今日のリーディングで、こんなにも、たくさんのレイプ事件が頻繁に起こっていたことを知り、愕然としました。私が、ニュースで知ったレイプ事件は、たぶん5件ぐらいだったのに。

    ベトナム戦争の戦闘稽古のべトコン役を、沖縄住民が務めさせられていたことも初めて知りました。枯葉剤が、確信犯的に、沖縄の地に埋められたことも…。

    よくニュースで耳にする普天間基地が、日本軍の既製の地ではなく、住民が収容所に入れられている間に、アメリカが勝手に建設したということも、恥ずかしながら、知らずにいました。
    それで、やっと、沖縄返還の時点で、返してもらう筈の土地なんだという認識ができました。
    それなら、勝手に取った土地の代償を要求すること自体、無謀な論理なわけですね。

    結局、いじめっ子が、「彼とは友達。ただ遊んでいただけ」と言うのと同じで、日本は、アメリカに友達なんて煽てられていても、裏では、完全に下に見られて、日本の住民、特に沖縄住民は、ヒトトしての扱いを受けていないわけですね。
    自国の国民を守るべき政府は、いつでもアメリカの言いなり。
    なかなか、解決のつかない難題ばかりのこの国の将来を心底憂えるばかりでした。

    これからも、この会は、こういう知られざる事実を広く、観客にわかりやすく流布するためにも、ずっと続けて頂きたいと思いますが、ただ、客席に本当に思いを届けたいのなら、出演者は、言葉や台詞をつっかえたり、言い直したりすることなく、ご自分の言葉として体に落としてから、きっちりと発信して頂きたいなと思いました。そうでなければ、ただ一瞬のイベントで終ってしまうと思うので。
    今日、客席にいた全員が、帰宅後も、ずっとここで得た知識や、湧き出た思いを、引き摺るような、吸引力のある発信源であって頂けたらと念じました。

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    2012/07/19 20:59

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