満足度★★★★
たのしかったァ!
劇団フライングステージの公演会場って、なんか「芝居小屋」の雰囲気がある。みんな公演を楽しみにしてて、幕が開くのをワクワクしながら待っているような。
「ゲイあるある初級編」のようなくすぐりから、女性よりも女性役がはまる女優陣(?笑)、そして「弱さ」に対して、理屈や説教を並べるんじゃなくて、とりあえず一歩踏み出させることで克服させようとする人間愛の描写に至るまで・・・とってもあたたかい公演なんだよなあ。
ま、2丁目の住人は理屈っぽいの多いけどな!笑
今回の『ワンダフル・ワールド』を端的に表現するなら、ゲイの主人公が「つなぐ」ということの意味を、おぼろげながらも気づくヒューマンドラマ、といった感じかなあ。
主人公が、ゲイであることをカミングアウトして父親から勘当され、現実逃避(というか酒蔵の跡取という身上を忘れさせてくれる行動だけをとる、というべきか)。
家族や幼なじみ、大家さんらの心配をよそに、頑固なまでに逃げまくる。
なのに、なぜか人望があるんだよねぇ・・・田舎の跡取り息子だけが持ちうる神通力なのだろうか?笑
それはさておき、配役がイイんだよなあ、今回は。
長男の大地泰仁さん。
劇団競泳水着の女優さんと同じ事務所の俳優さんなんだけど・・・たたずまいがイイなあ。地味なんだけど、存在感あるわ。
大家のおばちゃん役は、関根信一さん。おしゃべりなとこ、好奇心旺盛なとこ、面倒見が良いとこ、おみやげ持っていかそうとするとこ・・・あと見た目に至るまで、完璧なおばちゃんっぷり。
ボクにとっては、フライングステージの看板役者である岸本啓孝さん。
今回も、安定したゲイっぷりを披露。最高です。
家族の持つ不思議な力。
でも、家族だけじゃ生きていけない。
いろんな人との交わりで、人生は味のあるものになってゆく。。。
とても良い芝居でした。