満足度★★★★
インビジブル
人が生活していたにおいが色濃く残る古いアパートの一室。
でも主のいない部屋。
高過ぎる位置に吊るされた鳥かご。
水だけが満たされた水槽。
テレビの前の虫かご。
ここにもいるはずの主はいない。
15人で満員の6畳間から観る居間とその向こうにある台所。
前半はある意味、日常の世界、後半は非日常の狂気が加速する。
ねっとりと絡みつくような濃密な空気、水中にいるような息苦しさを覚えた。
観劇後の後味はけっしてよろしいものではない。
あの空間、時間が病気で狂気なら、実際この世はそうとう病んでいるんだろうね。
駅に向かう途中、電車に乗ったら何かに巻き込まれそうな不安を覚えながら歩きました。
2008年の「病気」を観られなかったのは残念。