満足度★★★★
自立する心
初めての本公演観劇、やはり方言での上演で、やはり言葉さっぱりわからない。
言葉がわからなくても芝居で理解をしたいと、芝居で伝えようとしているはずだと、最初のうちはとても集中して食い入るように芝居を追ってました。
しかし、それも最初のうちだけ。
話が進むにつれて、わかるような言葉で芝居をされている場面もあったりしつつ、そしてなんといっても芝居が魅力的で、ことばがわからないことも気にならなくなってゆきました。
方言でつむがれる、日本全国の家庭で巻き起こっているであろうリアルな嫁姑問題。
しかしやはり、相手の立場になって考える想う、それが肝要なんだなと。
最後、姑が寝たきりになってからのひとりごとに、すべてが集約されている。
聞いてると胸が締め付けられました。
自分自分ではいけない、双方互いに。
お互いに殻に閉じこもらず、自分のものさしだけで考えず。
他者と自分を区別して、他者を理解をする、それにはまず自分自身の心が自立していなくては不可能。
人との関わり、触れ合い、集団の中の一部である自分。
ヒトというものを考えさせられるお芝居でした。
と書くと、とかく小難しいお芝居なんだろうという印象になってしまうかもしれませんが。
そんなことはなく、エピソードは腹抱えて笑うレベルのおもしろさでした(笑)
突き抜けたやりきり度と思い切りがあり軽快で、最後まで飽きさせず引きつけ続ける工夫が絶妙。
百次さんしか存じ上げませんでしたが、なんとも魅力的な芝居をされる役者さん揃い。
ぜひ、また大阪でも公演していただきたいです。