満足度★★★★
シンプルさが際立つ舞台
装置もなく、衣裳もごくシンプルなもののみ。さらに、女性のみで演じられているためか、ストーリーの筋が際立つ演出。
幕開き当初、棒読みとも言えるほど抑えたせりふの応酬に少し違和感を感じたが、徐々にその効果が現れてくる。
シャイロック役の奥山美代子さんが素晴らしい。
女性であるとかそういったことを全く意識せず観られた。
キャスト変更があった模様で、アントーニオが兼ね役をしていたのが、一瞬ストーリーの理解を邪魔したのが惜しい。
道化から公爵まで、いくつもの兼ね役を演じ分けた木村美保さんのエネルギッシュさと技術に脱帽。
バッサーニオは、役者さんが少し女性らしさが残る方で、二枚目とは言え、声の弱さが少々惜しい感じだった。ただ、ラストの指輪にまつわるコミカルなシーンでは、表情が大変豊かでよかった。
同時上演の『ペリクリーズ』も観たかったが、時間が合わず断念。大変残念。