『ウェディング、ラン!』 公演情報 8割世界【19日20日、愛媛公演!!】「『ウェディング、ラン!』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    ウェディングケーキのような立体感
    今回、鈴木雄太さんの劇作家引退記念公演ということに加え、退団される俳優さんもいらっしゃったので、私としては珍しく、3回も観に行きました。バージョン違いでない公演としては私の場合、異例の回数です。

    小劇場系劇団のコメディを勉強させていただく良い機会になりました。

    詳しく書きたかったので、公演中はネタばれになることもあり、投稿できなかったのですが、終演後も、いろいろ考え始めて、なかなか書けずにいました。

    やはり回数を重ねるごとに、俳優さんの調子も出てきたようで、千穐楽の舞台はかなり充実していたように思います。


    構成の妙があり、ウェディングケーキのように立体的で飽きさせない。

    近年の小劇場劇団のコメディとしては、かなりの満足度。

    ラストに海外コメディのような余韻があるのが良かったです。



    個人的にはあと10分くらいカットしたほうが理想的に思え、1回目の観劇はかなり長さを感じ、「あっという間」とは思わなかった。1回しか観なかったら満足度は今より低かったでしょうね。

    次回公演からは新劇団員も加わり、新体制になるようですから、また新しいファンを開拓していかれることでしょう。

    ネタバレBOX

    鈴木雄太さんの軽快な前説から、冒頭の花嫁のフライイングにはビックリした。
    MOMOでこれをやるか!という驚き。ワクワクした。

    まず、構成・演出が凝っていて、中盤からの「転」が巧い。
    花嫁の姉の夫への浮気疑惑から雷鳴が響き、台風になっていく。
    イタコの暴走と、花嫁と父の霊の対話。姉夫婦のけんかも殺陣のようで面白い。

    劇団員では高宮尚貴さんのイタコが最高の出来。彼が出てくると空気が変わる。大真面目に演じているからこそ生まれる笑いの素晴らしさ。
    今回の芝居のMVPは彼だと思う。

    マジシャンがイタコ八郎に化けたという設定の場面が本当に化けているような説得力に目を奪われた。
    引退してしまうのは本当に惜しい。

    役名が彼だけ、漢字違いの「高宮直樹」という同名だったのは意味があるのだろうか。

    引退のはなむけなら、吉岡和浩さんは浜中神父という役名があるのはなぜか。
    ここは、別の役名があったほうが自然でよかったと思うが。

    小早島モルさんの「変なマジシャンぶり」も得難い。

    客演者では、穂刈小夜さんのメリハリある演技と、斉藤晴久さんの「存在感を消す存在感」が印象に残る。

    白川哲司さんは演技が丁寧だが、声が枯れ気味だったのが残念。


    気になったのは、花嫁の両親とも亡くなっていて、10年間どういう育ち方をしたのか説明がないこと。

    いじめにあっていたなら、なぜ、母親でなく父親への感謝を強調するのか。

    また、配役表では花嫁も連れ子も秋山姓になっていて、入籍済みということなら、「マリッジブルーを利用して奪え」と牧田(亀山浩史)を小島(白川)がそそのかすのが成立しにくいのでは?

    コメディでも、そういうドラマ部分が丁寧に描かれていてほしいと思うが、劇作は引退なさるそうなので。

    都と若葉が秋山姓になっているから連れ子なのかどうかわかりにくいという意見が私の同伴者やほかのお客さんからも聞かれた。

    私も1回目では、そこがひっかかった。芝居を見慣れてない人は戸惑うかもしれない。


    姉夫婦のコントのようにおおげさなリアクションや、牧田がもらい泣きするのが真面目な場面なのに笑いが出るほどわざとらしい泣き方だったのも、私には違和感が強かった。

    伏線のいくつかも強調しすぎで、観ていて私には少々あざとく感じた。

    花嫁がクライマックスで開き直って長台詞を言う場面も、若い役者の場合は台詞が上滑りで大げさに見え、観ていて気恥ずかしくなってしまった。









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    2012/06/19 22:53

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  • KAE様

    ログインエラーが起きて、お返事遅くなり、ごめんなさい。

    そうですね。

    私はKAEさんのように劇作の知識はなく、ド素人なので、もっと呑み込みが悪いんです(笑)。

    だから、とっさにのみこめないときがあります。

    一緒に観る家族も、まったく観ない人に比べればたくさん観てますが、戸惑うことがあるようです。。

    先日、新聞のコラムを読んでましたら、劇作家は観客の目で何度も読み直すべきだ。

    すると、新しいことが見えてくる」という意味の文章がありました。

    本当にそうだと思います。自分の頭の中ではすべて入ってることでも、観客にはわかりにくい場合も

    あるので、そのへん配慮していただけたならと思います。



    2012/06/27 03:58

    きゃる様

    ユウノスケの件、きっと作者には、「そんなこともわからない客がバカだ」と叱られてしまうかもしれませんが、でも、一応、8割世界は、老若男女を対象にしてる劇団ですから、理解力の鈍った中高年の観客への配慮は必要な気がするんですよね。

    2012/06/21 21:36

    KAE様

    コメディの好みと言うより、同時にコケルというのは、やはりコントの演技だと私は思うんですよね。

    KAEさんはその意味では電夏の芝居はお好みにあうかもしれないですね。

    役者は達者で、いつも息はピッタリだし、コントと芝居のギリギリのところで、いつもせめぎ合ってるようですから(笑)。

    電夏は以前もお勧めしたけど、どうやらお気が進まないみたいですけど、絶対お気に召すと思った

    オペラ調の傑作、パフォーメンのときに、振られてしまったので、ほかのシリーズはお気に召すかどう

    か自信がなく、あえてもうお勧めは致しませんが。


    ユウノスケの個所は、私も同感です。

    長くなるので割愛してしまったんです(笑)。

    あれは、ユウノスケという人がすぐにため口をきくような男で、「都」と呼び捨てに

    して話し始めるからややこしいのですが、たしかに、そのずうずうしさを表しているとはいえ

    ちょっと、一瞬、あれ?なんで?って思っちゃいますよね。

    ご指摘のようにしたほうが親切だと思いました。



    2012/06/21 04:29

    きゃる様

    やはり、きゃるさんとは、特に、コメディに関しては、趣味が合わないのかも。(笑い)

    私は、皆で一斉にコケルとかって結構好きな方です。

    そこで、笑いに持って行けるとしたら、相当、役者の息が合わないとダメだから。皆の気持ちが合う瞬間に立ち会うのって、小気味いいって、私は感じてしまうんです。

    井上ひさしさんの遺作となった「ムサシ」の時は、そういうコケル演技に鼻白むところがありましたけどね。

    あ、そうそう、自分のコメントができないので、この場をお借りして、もう一つ、気になったことを書かせて頂くと、私も3回観たから、理解できたのですが、初回に観た時、ユウノスケが、結婚式の幹事を頼む台詞で、「都が」って言い出した時、一瞬、斎藤さんが結婚相手の名前を間違えたのかと思ったんです。あそこは、「自分が、穂刈と結婚する際は」というような台詞を先に持って来た方が、役者さんにあらぬ疑いを抱かせず、観客にも親切なのではと感じました。

    2012/06/21 01:59

    KAE様

    コメントいただき、ありがとうございました。

    いろいろ書いてまた、恨まれそうですが(苦笑)。

    ユウノスケは最初、いつ鬘の隣にいたのかわからなくて(笑)。


    表に出てきたときも、みんなが気付かないのが自然に見えるので、感心してしまいました。

    白川さんはあの裏の声がとても面白く、良かったですね。


    私も白川さんは演技派だと評価してますよ(笑)。

    ただ、私が見た一回目、二回目は疲労からか、裏でなく、普通の場面で声がかすれて出ない個所があったのは事実で、辛そうなのが気になりました。

    姉夫婦、俳優さん自体がどうのというのでなく、私はドッヒャー!みたいにそろって飛んで驚く演技が気になったのです。

    実はこういうみんなが同時におおげさなリアクションする演技について、別の某劇団で俳優さんの間で意見の相違があったことを伺った経験があり、その意味でも、「ああ、こういう演技のことか」と勉強になりました。


    この件では、「いまどき、そんなリアクションの芝居、あります?」と、知り合いの俳優さんにつっこまれちゃったくらいなんですから(笑)。

    私も鈴木雄太さんは、人情噺にもっていかない芝居のほうがよいのではというふうに思ってる一人です。

    でも、引退されたんでしょう?

    「遺作」とまで書かれてたから決意が固いのかと思ってました。













    2012/06/20 08:00

    きゃる様

    私も3回観たのですが、どうやら、私は立場上、書いてはいけないユーザーのようで、本音を書かれるきゃるさんのご投稿を楽しみにしておりました。

    私も、当パンを見ないまま、舞台を観たので、都の姓については疑問を持たなかったのですが、帰宅後、当パンの表記を見て、これはおかしいのではと、きゃるさんと同じ疑問を感じました。

    いつも、雄太さんの作品は、ラストがイマイチだと思うのですが、私も、今回のラストシーンは洒落ていて好きでした。

    ユウノスケの存在感のない存在感、言い得て妙!

    私も、自分の鬘が横に並んでいなければ、うっかり気づかないところでした。(笑い)

    書けない私とほぼ同じようなご意見のきゃるさんのコメントに、溜飲が下がる想いが致しました。

    あ、でも一つだけ、違うのは、私は、白川さんの演技には、全面的にベタ惚れでした。
    最初のシーンの裏の声から、素晴らしくて…。

    姉夫妻コンビの芝居も、私は結構好きでしたね。特に、姉の「キムが入ってるわ」という台詞の言い方が個人的にツボで。

    雄太さんには、コメディ作家としての才能はたくさんあると感じていますので、少し、いろいろ他の芝居をたくさん観て勉強されてから、また復活して頂きたいですね。
    変に、人情話に持って行かない方が、素敵な作品になりそうな気がしますけれど。

    2012/06/20 00:23

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