満足度★★★★
祝祭の儀式として!三人の妊婦が舞台上に登場した瞬間にこの作家の感性に恐れ入った。臨月の近い妊婦が三人だけで暮らしている。そのシチュエーションだけでどれだけ劇的なことか。そして、劇中叫ばれるが、本来最も幸せであるべき妊婦が不幸せを競うという状況に胸打たれるものがある。彼女たちは何から逃亡し、何と戦っているのだろう。ことほぐというタイトルがいい。演劇は祝祭の文化だ。円形の舞台に祭りという要素を取り込み、神に祝福されるべき妊婦の悲喜劇を見事に凝縮して見せてくれた。北の国に演劇の神髄を観た気がする。
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2012/06/11 01:24
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