アサノ味 (終了いたしました。ありがとうございました!!) 公演情報 味わい堂々「アサノ味 (終了いたしました。ありがとうございました!!)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    いつのまに、演じる筋肉がムキムキに・・
    3つの短編でしたが、
    いずれの作品にも、
    脚本を生かすための役者達の演じる筋肉のようなものを感じて。

    揺らぎや迷いのない演技からくみ上げられる世界に、
    しっかりと嵌ってしまいました。

    ネタバレBOX

    味わい堂々を最初に見たのは、
    数年前のアトリエセンティオでの「味見」公演だったと記憶しているのですが、
    そのときには、ちょっとグタグタな部分も味のうちという感じで、
    作品に含まれていた煌きのようなものを
    拾いつつ味わっていた覚えがあって。

    しかし、今回は、
    作品を維持し、戯曲の味わいを支える
    役者達の筋肉がまるで違っていて・・・。

    3つの作品、それぞれに、
    舞台上に置くには異なるタフさがあり、
    もし、数年前の役者たちだったら、
    その味わいを引き出す前に腰が砕けてしまったかもしれない。
    でも、今の彼女たちには
    その骨組みや一筋縄では表しえないものを
    むしろ自らの武器の強度や切っ先として
    世界を編み上げていく力があって。

    役者達の演じあげていくロールに
    互いに交じり合わない、
    キャラクターの色が立ち上がり
    その物理的・空気感の位置取り、
    距離感や重なりのバリエーションが
    戯曲を芯において、場の空気をしなやかに編み上げていく。
    作品ごと、さらには刹那ごとに
    観る側がゆだねうるボディがあって、
    ぶれや逡巡に陥らない、
    しっかりと戯曲のニュアンスを紡ぎだし、遊び、編み上げる
    表現の力が備わっているから、
    体長うん百メートルの都知事が見えるし、
    コンビニの常ならぬ平凡な時間に絡めとられるし、
    わけのわからない血のつながりにも実存間が生まれる。

    劇間のぐたぐたなつなぎも、
    その部分の洗練で勝負しなくても、
    見せるものを持った彼女たちの余裕の表れのように思えたり。
    事実、変にこじゃれたつなぎをされるより、
    場の印象がリセットされることで
    ひとつずつの作品をより深く味わうことができたりもして。

    客演の役者も、
    彼女たちの演技にひきづられることなく、
    自らのトーンで作品にさらなる奥行きを与えて、
    そこにさらなる作品の奥行きが生まれて。

    その筋肉だからこそ扱える
    表現の剣の扱い方や切れ味を目の当たりにして。
    彼女たちのこの筋肉は
    それぞれが自らの公演にとどまらず、
    あちらこちらの劇団に客演し、
    武者修行をした成果なのかなとも思いつつ・・・。、

    終演時にはしっかりと満たされたその先に
    彼女たちの作劇の新しい広がりへの期待が
    ふつふつと沸き起こってきたことでした。。

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    2012/05/28 17:38

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