満足度★★★
ウェルメイドなラブコメ
ひょんなことから男性としてコーヒーショップで働くことになった女性と、その店の店長を務めることになった大企業の御曹司が、色々あった後に結ばれるという王道的なラブストーリーが、手堅い演出のミュージカルとして描かれていて、素直に楽しめる作品でした。
序盤の韓国ネタのギャグは滑り気味でしたが、次第に客席の空気も温まって、笑わせる場面も泣かせる場面も流れが良かったです。終盤の畳み掛ける展開もドラマチックでした。最後のシーンは取って付けたような違和感があり、その前で終わって良いと思いました。
大半の役者の歌唱力が高くて安心して聞けました。特に終盤の中尾ミエさんと尾藤イサオさんの歌が圧巻でした。高畑充希さんの少年っぽい演技と情熱的な歌が魅力的でした。
美術や照明、バンドの生演奏等のスタッフワークも充実していて、場面転換もスムーズで安定感がありました。衣装や曲調が一昔前の雰囲気だったのも、漫画的なストーリーに合っていたと思います。
物語も演出もエンターテインメントに徹していて、クオリティーも高くて良かったのですが、もっと生の舞台ならではの手法や構成を用いて欲しかったです。
ゲイであることを笑いのネタにする場面が多かったのが気になりました。