満足度★★★★
7人のこびとが出てくるひねくれ童話
小さなステージに大きな7人ものこびとと称する男どもが、体育会系ののりで脚折り曲げたままの姿勢で1時間半あちこち動き回る。
能面つけて無表情な表現したり、あやとりを何人でもする感じでうまくひも使ってテーブル表現したりと、そこかしこにおもしろい演出がある。
マッチ売りの少女、シンデレラ、白雪姫、グリム兄弟と誰もが知っている童話に出てくる主人公を組み合わせて、世界で一番美しい物語に仕立てようとするもくろみ。
もちろんそんなとてつもない話が成立するわけがない。
最後は、マッチ売りの少女から、世界で一番美しい人になり、王妃になったことが悲劇を生み出す。
寒さをしのぐためぼろの服をつくろってほしいと思う程度の望みが、世界最強の美を求めて白雪姫の死を求める嫉妬にまで変わっていく。
しかし、そんな寓意を含んだ舞台とか考える必要もなく、親子で楽しめる「学芸会」的舞台として成功している。ただ、親子の観客はいなかった。
最後のシーンは子供向きでないかもしれない。
マッチ売りの少女だった王妃が火あぶりの刑だもの。
白雪姫も表面はかわいいが、王妃に死刑を命ずるなど残酷。こうしたことも子供向けでないか。
今から子供にも人間両面あるよと教育するには、すばらしい舞台であるかもしれない。(ジョークですよ)
と思いきや毒をいっぱい含んだ小劇場テイストに満ちあふれた舞台。
小劇場ファンにはすいぜんの作品。