期待度♪♪
坑の中の村八分
今年の福岡演劇フェスティバルで、地元福岡の劇団の中で、唯一ラインナップされたのがvilage80%。実は最多出場劇団でもある。
その劇団としての特徴を、乱暴は承知の上で一言で言うなら、「演劇に何が出来るのかを常に問い掛け続けている劇団」と言えるだろう。その姿勢を持つ劇団自体が福岡では非常に数少ないし、たいていの劇団が、叩頭し追従する客に満悦して増長している中にあって、見え透いたお世辞に簡単に“乗せられない”姿勢が見受けられのも好感を抱かせるところである。
ただここ数年の近作には、表現の手法として、既成作家たちの模倣から一歩も先に出ていない恨みが強く感じられる。villageの演出家全員が低迷中、といった印象である。
だから「期待値」ということで言えば、私の中ではとても三つ星は与えられないのだが、今回の舞台は、既に数ヶ月前に「ひた演劇祭」で上演されたもののいきなりの再演である。少しは“こなれている”かどうか。作品紹介の文章の中に、キーワードとして何度も「世界の敵」が繰り返されるのは、どうも「あの作品」に似ているような気がして、これも不安の理由の一つになっているのだった。