ご多分にもれず、ふつう。 公演情報 モモンガ・コンプレックス「ご多分にもれず、ふつう。」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    発想の転換
    女性ダンサー3人と「舞台美術」と称された男性8人によるパフォーマンスで、失笑を呼ぶようなユーモアの中にメタシアター的な仕掛けが仕組まれた、興味深い作品でした。

    白い衣装を着て林のように立つ「舞台美術」の合間を縫うように赤い衣装を着たダンサーが現れ、ダンサー同士はあまり絡むことがなく、それぞれ何となく物語性が感じられるダンスを踊り、手首と足首だけを使ったユニゾンを踊るという流れが形を変えながら繰り返される構成で、最初はいかにも舞台美術然としていた男性達が次第に動きを増し、手前に並んでダンサーが踊っているのを見えなくしたり、合図によってダンサーの動きをコントロールする様子が印象的でした。

    開演前のBGMの合間に舞台美術の人達へのインタビューの録音が流れたり、途中でダンスが何を表していると思うか美術の人達が会話する録音が流れたり、美術の1人が途中でトイレに行ってしまったりと、作品のフレームの外側を意識させる演出が多く、脱力的ながらも刺激的でした。
    踊れない人間をそのように扱うのではなく、動く舞台美術として扱うことによって、ダンス作品の中に非ダンス的なバラバラでだらしない身体性が存在することを「あり」にしていて、見事なアイディアだと思いました。

    構成・演出は良かったのですが、純粋な身体表現としてのダンスという観点からすると、振付やダンサーの動きに少々物足りなさを感じました。

    悪魔のしるしの危口統之さんを迎えてのアフタートークは、白神さんが踊る数分間のソロに危口さんが舞台美術の演出をするというもので、面白い試みだとは思いますが、グダグダな結果になってしまっていて、もっと突っ込んだトークをして欲しかったです。

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    2012/03/21 21:25

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