満足度★★★★
鈴木蘭々が好演
ユーミンソングミュージカル『ガールフレンズ』の再演公演を天王洲銀河劇場で観て来ました。18時開演のソワレ。ダブル・キャストの主役は鈴木蘭々/池田有希子の組み合わせでした。
2006年12月の初演の公演は華原朋美主演のを観たのですが、それと較べると格段に演技と演出がよくなっていたと思います。よりミュージカルらしくなっていました。
座席が前から3列目で、手を伸ばせば舞台の上の役者に触れそうなぐらいに近く感じる席でした。鈴木蘭々も池田有希子も表情豊かで、きちんと演技していました。歌に表情が無く、「コンサートみたい」と思った初演よりは格段の進歩です。歌がそれぞれ喜びの声であったり、泣き声であったりと、まさにミュージカルの歌でした。
初演の時も感じましたが、やはりユーミンの曲は多くは10代、20代に聴いていた曲が多いので、曲を聴いただけで甘酸っぱい想いにおそわれます。舞台で繰り広げられる恋愛模様は、青春時代に夢見た恋愛であり、現実には体験していなくても、イメージの世界では実体験に劣らないほどリアルに感じていたのが、ユーミンの描く恋愛模様だと思います。曲を聞くだけで、涙腺が刺激されているようでした。
今日も、客席の年齢層は高めでした。私たちよりずっと年上のご夫婦が、たくさん観にいらしていました。
初演と較べて、曲が2、3曲入れ替わっていました。ストーリーの大筋は変わりませんが、より良くなっていると思います。演出も変わっています。舞台装置も初演のチープさが無くなり、より洗練された感じです。
華原朋美に較べて、鈴木蘭々はかなり上手でした。ミュージカルをいくつも経験してきているようですし、それなりの技術を持っていると感じました。いつもミュージカルで感心するのは泣き声で歌うという技術です。あれは訓練すればすぐできるのでしょうか。今日の蘭々も歌で泣いていました。2幕に入り「Holiday in Acapulco」では、蘭々にはキーが高かったのでしょうか、ある音域になると巧妙にファルセットに切り替えていました。曲のサビの部分でちょうど音域の境めにメロディがあったのか1音ごとにファルセットと普通の声とに切り替えていたのを聞いて、無理をして苦しい声を出すよりも「無理をしないのもプロのテクニックかぁ」と思って聞いていました。しかし、その次の曲で、ファルセットが続くと急に声に力が無くなりました。ここにきて蘭々は疲れてきているのかと心配してしまいましたが、その後は持ち直していました。鈴木蘭々は、かなり限界までがんばっているのでしょうか。公演終了まで、無事に演じきることを祈ります。
池田有希子も初演の演技と較べると、演技の深さが増したように思いました。演出が変わったのかもしれませんが、良くなっていました。ミュージカルになっていました。
アンサンブルでは初演にはいなくて今回から入った方でバレリーナの方がいますが、多分その方の演技だと思うのですが、バレエ風の大ジャンプが美しく決まっていました。普段バレエなど見ないので、すばらしいジャンプに驚きました。
初演の華原朋美主演の舞台よりは、格段に素晴らしくなっていました。