藪の中 公演情報 セルリアンタワー能楽堂「藪の中」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    藪の中なパフォーマンス
    能楽師の津村禮次郎さん、バレエダンサーの酒井はなさん、とその道のベテランが能楽堂に集い、若手ダンサー・振付家の島地保武さんによって構成された、人を食った様なパフォーマンスを行う作品で、単純に美しさや幽玄さを表現するのではない、一筋縄にはいかない捻くれ具合いが面白かったです。

    全体で90分程度の作品ですが、20分程度の第1部の後に10分の休憩を挟んで第2部が続くというイレギュラーな時間配分で、第1部は島地さんのソロ、第2部は島地さんは出演せず、他の4人のパフォーマンスでした。
    途中までは抽象的ではありながらも概ね原作に沿ってダンスが進行するのですが、突然酒井さんがマイクを手にして自分のことについて話し始め、それまでアブストラクトな音響だったのがサティのピアノ曲に変わり、先の読めない展開になるのですが、その後の津村さんの話になった所で、原作における「不確実な記憶」というモチーフに繋がる構成で、破れかぶれな外見とは裏腹にまとまりのある終わり方でした。

    構成は実験的ですが、ちゃんと出演者それぞれのソロでの見せ場が用意されていて、熟練の技を楽しめました。特に津村さんの声と体が素晴らしかったです。

    matohuによる衣装は東京コレクションで発表しているものと同じ流れのデザインで、絶妙な色合いが能舞台に映えていて良かったです。
    音楽は第1部で舞台上に置かれていたカバサや金槌の音で構成した、微かな響きが続くもので、不思議な雰囲気を生み出していました。

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    2012/03/08 23:46

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