IZO 公演情報 劇団☆新感線「IZO」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    アイドル芝居の概念を覆す、良作
    チラシやポスターの雰囲気と、実際の舞台の雰囲気に、
    格差を感じる作品って、時々感見かけます。
    特にアート系なチラシだったりすると、そのイメージを期待していき
    作品の内容とは関係ない?別の部分で評価してしまったり。
    その切り口では、この作品は、水墨画のような
    チラシのイメージを、そのまま再現している。
    スライドを多様しているのだけど、和紙に写しているような雰囲気と
    影絵のように見せる手法で、舞台と一体化し
    とてもバランスよく溶け込んでいた。
    「エリザベート」や「モーツァルト」で利用されているスライドは
    「いかにも」的で、単に舞台装置を安上がりさせているだけのような
    イメージがありましたが
    「テイクフライト」しかり、技術の向上は目を張るものがあり、
    (その究極が、オリジナル版「ウーマンインホワイト」)
    舞台世界を構築する見せ方として活用してほしい。

    まぁそれはそうと
    この作品、新感線なのですが、おふざけがなく
    とても真剣一本調子で、好感が持てます。
    新感線のカタルシスあふれるダイナミックさは割りと好きなんですが
    数人揃って「アッハッハ」とか、くだらない小ネタは
    鼻について不愉快だったのですが、この作品は硬派一直線、
    どこにも「ユルい」部分がありません。
    そして、立ち回りのシーンが、従来の新感線が
    マンガチック、チャンバラごっこのような、ある種ダンスの振り付け的で
    単なる「見せ場」であり、何らリアルさはないのですが
    この作品は、「エグさ」と「イタさ」が伝わる、
    思わずのけぞってしまうような、スプラッター的な表現さえあります。

    森田剛って、良く知らないど、ジャニーズの現役アイドルですよね。
    客席も、御馴染みの「うちわ」を持っていそうな女性ばかりなのですが
    (僕も「大好きな剛君の芝居に空席を作りたくない!」という方から
    二束三文で譲っていただきました。)
    内容は、こんなにも男臭い、どちらかといえば
    男が「しびれる」ようなクールさと、残忍さが溢れ
    王子様的、ふわっとした甘さは一切ありません。
    終始、汚い風情で(役作りなのかなぁ)格好良さもありません。
    それでも、さすがはスター、3時間30分、グッと観客を惹き付けるのは
    彼の魅力が強いのでしょうか。
    アイドル芝居じゃ、見たことのないほどの力強さ。
    しかし、ジャニーズって、本当に偉いなぁ。
    青山を1ヶ月公演するって、大きなプロジェクトのはずなんだけど
    安全パイに収まることなく、そのタレントの可能性を探るような
    作品を出してくる。
    (「ハイスクールミュージカル」のような王道ではあっても
    手抜きな駄作もあるけど)
    アイドル芝居の概念を覆す、制作陣の心意気を感じる
    良作です。
    いやいやジャニーズファンだけに見せておくのは、もったいない。

    難点は、テンポの良い芝居だけど、そのシーンから溢れるほど
    台詞が多いのでしょう、
    何を言っているのか、早口なのか言葉が難しいのか、聞き取れない、
    よく意味がわからないシーンが多々ありました。
    舌が回ってないというか・・・四季・浅利慶太が見たら
    怒り狂うであろう、聞き取れません。
    僕はIZOの話を知っていたので、ついていけましたが
    予備知識なかったら、わかんないだろうなぁ。


    ネタバレBOX

    IZOは、毒の入った酒を飲んで、トダちゃんは死んだけど
    ゴウ君は死にません、しかも毒の回った身体でも人を斬ります。
    あんな華奢な身体で、なんともタフだなぁと。
    森田剛の「テンチュー」って響きが、何だかずっと
    耳に残りました。
    オープニングとクローングに、おなじみの新感線のテーマ曲が
    流れていましたが、この作品に関しては
    あの派手な音楽が余分。情緒をなくします。

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    2008/01/26 12:21

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