うれしい悲鳴 公演情報 アマヤドリ「うれしい悲鳴」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    今日の日本への警鐘
    閉塞感のある社会が産んだちょっといびつな近未来日本の話、これまでのひょっとこと比べて随分分かり易かったと思います。

    ネタバレBOX

    閉塞感のある社会だと独裁者が出てきてしまうのか、その結果思いつきを法律化してしまう制度ができ、不都合なところは“泳ぐ魚”という実行部隊が強引に取り仕切っている近未来日本の話。

    避難地区指定に伴い立ち退きを強行した際に“何でも敏感症”のミミを好きになった無痛症の“泳ぐ魚”メンバー牧野の悲恋物語はこの社会のあだ花として後世に語り継がれることになるのでしょうが、本質は思いつき法下の社会と制度の崩壊の話でした。

    “泳ぐ魚”もやはり官の組織でした。植物人間から臓器を取り出して移植するという思いつき法に従うと、ミミのお母さんも対象になりますが、今上天皇も対象になるという若手の意見に対し、空気を読むという形で恣意的に解釈する上層部は、法律の文言に従って例外なく遂行するという目的よりも、組織の存続を優先させる官の本質を具現化する方向に進んで行きました。

    お母さんを守るミミを殺した牧野が失踪した後すぐに政変が起き、思いつき法は廃止されました。閉塞感に包まれた社会では迅速な意志決定が望まれるのでしょうが、行き過ぎや矛盾が生まれる恐れがあることを我々に警告しています。

    本人たちのいない結婚式は古い因習のようでした。

    群舞は統制がとれていて素敵でした。

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    2012/03/08 11:43

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