壽初春大歌舞伎 公演情報 松竹「壽初春大歌舞伎」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    思いの外夜の部が楽しめた
    せっかく大阪まで行くので、昼夜通しで見ましたが、意外にも(ワタシ的に)、夜の部がよかったです。
    楽しみにしていた昼の部の関戸は、先月の平成中村座の勘太郎と菊之助の方がよかった。←あくまでワタシ的に。

    そして夜の部は、通し狂言、海老蔵五役。
    海老蔵丈ひとりで大活躍でした。
    たまに手を抜いているっぽいところもありましたが。

    五役はそれぞれ一長一短(というか一長三短くらい?・笑)でしたが、いろいろと面白かったです。

    その辺の個々の感想は、長くなるのでネタバレで。

    ネタバレBOX

    海老蔵五役、それぞれの感想。

    安倍清行。
    フワフワのヘニョヘニョ。台詞も半分何言ってるかわからない。
    役のメリハリをつけるため(多分に好意的解釈)とはいえ、天下の陰陽師がこんなんでいいのかと心配になります。
    こんなのに国の行方を占われるって、いったい……。


    早雲王子。
    これは一番海老蔵の良いところを出していた。
    多分、彼も一番この役に力を入れていると思う。たぶん。
    声もニラミもよかったです。
    悪人の声を出していると、あの変なこもった声にならないんですね。
    いつもこれだといいのに。


    粂寺弾正。
    こちら、変なこもった声になっていました(笑)
    これはご存じ歌舞伎十八番の内「毛抜」です。
    この粂寺弾正のことを私は「江戸時代の冴羽獠」(by『シティーハンター』)と表現したことがあるけれど、海老蔵のこれは違いました。
    そんなかっこよくなかった。冴羽獠じゃなくって、諸星あたる。(by『うる星やつら』)
    二回目振られて「面目次第もない」というあたり、客席では「ええかげんにせえよ」的あきれた感が漂っていました。もともとそういう筋なんですが。
    まあ、面白いからよかったです。


    鳴神上人。
    これまた有名な歌舞伎十八番の内「鳴神」
    これも面白い話なんですが、海老蔵が無理やり酒をすすめられているのを見ると、違うことを思い出した人多いだろうな。雲の絶間姫が「私の酒が飲めないのか」と詰め寄るところで、扇雀の顔がリオンに見えた人はあの場に私以外に30人はいたと思います。←少ない(笑)

    余談ですが扇雀の雲の絶間姫が、むちゃくちゃエロかったです。
    かつて玉三郎丈のを見たときは、そんなふうには見えなかったんですが。


    最後、不動明王。
    これは出てきて浮いた、というそれだけ。
    出てくるまでにものすごい時間をドロドロドロというつなぎで待たされたので、出た後あっというまに終わって、ちょっと拍子抜け。
    しかし、ありがたい感じもするので、正月公演としては良いのかな、と思いました。
    ロビーには成田山からいらした不動明王様が祀られていました。

    こう書いてるとつい辛口ですが、夜の部、面白かったです。
    大阪の串揚げも美味しかったし、遠征も良いですね。

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    2012/01/19 20:28

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