おしまいのとき 公演情報 ポツドール「おしまいのとき」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    2011年に観れてよかった。
    久しぶりの新作ということで楽しみにしていたが、期待以上のすばらしさだった。
    先日WOWOWでも放送されたのだが、わざわざ入会して再度観てしまったほど。

    最近のよくあるリアル演劇とは一線を画した、新しい演劇の魅力がこの作品にはあった。
    今までのポツドール作品と比べるとリアリティーは少なく、物語の展開も音楽も台詞もベタなのだが、なぜか目の前で起こること全てが、生臭く重く苦しい。
    作品のテーマは、悲しみと偽善と自己嫌悪で埋め尽くされた今の日本に生きる者なら、誰でもが共有できるだろう。
    だから小賢しい展開やリアルさなんてなくても伝わる。

    ネタバレBOX

    主役の主婦のひたむきさゆえの痛々しさは観ていて鳥肌が立ち、ラストの背中を丸めご飯を掻き込む姿には涙が止まらなかった。
    生への固執…。
    ハッピーエンドでもなく悲劇でもない、ただそこにある人間の真実が、あのラストには存在していた。
    役者陣が皆すばらしく、特に篠原友希子と古澤裕介の不思議な生々しさが本当にすごかった。

    ポツドールで涙するとは思わなかった。
    終演後しばらく立てない芝居を観れるのは幸せなことだ。

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    2012/01/04 03:33

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