星の結び目 公演情報 時間堂「星の結び目」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    時代の流れに
    翻弄される商家の様子がしっとりと描かれていました。

    ネタバレBOX

    回想シーンは大正末期か昭和初期か、この頃の氷屋は大いに儲かり、事業を拡大しています。氷屋といっても電気で氷を作るのではなく、冬に氷室に貯蔵した氷を夏売りだすやり方。戦時色が濃くなるにつれ料亭や酒場の営業が自粛ムードになり、氷屋は次第に落ちぶれていき、戦後完全に没落するまでを描いた話でした。

    主家の人たちは癖はあっても基本いい人、従業員もお女中も元気で働き者、それでも時代の流れでどうしようもなく落ちぶれていく、そのような様子を見ているのは重苦しく、辛いものです。

    龍の女の子供ということで、河原に捨てられていた捨て子だったことを表現していたのは切なく、養父の愛情も感じられ素敵でした。

    ところで、「星の流れに」は戦後の流行歌です。女中さんの生き様を考えれば戦後部分に使われるのは当然ですが、番頭さんの出征シーンに流れていたのは如何なものかと思いました。

    戦後、女中さんと従業員が結婚して和菓子屋さんを開業したという消息は知ることができました。主家も元の場所にあって、少なくとも長女は住んでいるようです。ジャワに行った次男の生死については想像に任せても構わないと思いますが、長男一家がどうなったかは触れてほしかったと思います。

    長男の袴の丈があまりにも短かったのには驚きました。また、ニ女を嫁にしようとした山崎は戦前の成り上がり者かもしれませんが、少なくとも貴族院議員ですから、いくら下品な男とはいえ靴を履くときにあんなにトントンするでしょうか。細かいところが気になりました。

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    2011/12/22 11:41

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