『タンバリン・スナイパー』 公演情報 8割世界【19日20日、愛媛公演!!】「『タンバリン・スナイパー』 」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    一般客が心底楽しんでいた舞台でした
    観劇3回目なので、統括を。

    最初は、こなれていなかった部分もあり、やはり、雄太さんの作品ありきの8割世界かな?とも感じましたが、観る度、深さを感じる石原戯曲の虜になってしまいました。

    終演後、後方席から、名前を呼ばれ、すぐにはどなたかわかりませんでしたが、息子の幼稚園の同級生のお母様で、卒園後、20年振りぐらいに会う
    旧友でした。

    何でも、「ガム噛め!」でファンになり、今回も劇団からのメールで上演を知り、遠くまで、観にいらしたそうで、終演後の表情が、目がキラキラして、楽しそうでした。
    昔は、映画ばかり観ているヒトでしたが、8割世界のお陰で、芝居の楽しさに目覚めたとのこと。嬉しそうに、「ガム噛め!」のDVDを買って、帰って行かれました。

    石原戯曲は、登場しない人物までが愛おしくなる、秀逸な作品で、そこに、各役者陣が命を吹き込み、まるで、実在するかのような保育園風景を見せてくれました。

    あ、そうそう!一つ思ったこと。すみれお姉さんの惣介への冗談話、3回とも、お客さんがクスりとも笑わなかった、あさりがほたてになるって話、あれは、はまぐりぐらいにした方が笑えそうに思いました。それだと、鰤とハマチの例もあるし、惣介が信じてもおかしくないけれど、あさりとほたてじゃ形状が違い過ぎて、観客も無反応でいるしかないのだと感じました。

    今日で千秋楽なのがとても残念!
    この舞台、きっと、たくさんのヒトを演劇好きにする資質を備えた作品だと思いました。

    ネタバレBOX

    この舞台に登場しない、きらりちゃん一家、れいこ先生と前髪だけのスーパー店長のご主人の夫婦関係、岡島さんの別居の奥さんや、娘のりなちゃんの心情…、そういう、話題だけでしか登場しない人間や相互関係までが、きちんと掘り下げて描かれていて、登場キャスト以外の人物までが、気になり、愛おしく感じる、素敵な脚本でした。

    ずみとじゅんちゃんがデートで行ったケーキ屋さんのケーキも食べてみたくなるし、久保さんが資格を取れるかも気になるし、水原コーチは、無事、婚約者とよりを戻せるかしら?とか、とにかく、細部のその後までに、たくさん興味が湧くのです。

    水原コーチの、スナイパーに対するプロとしての厳しい視点や、世界の格言等、雄太さんの脚本だと、かなりちゃらんぽらんに描かれるのではと思うような、枝葉末節までが、きちんと描かれていて、ありえなさそうなストーリーに、リアルさを感じさせます。

    惣介の「大きな栗の木の下に」論も、本当に、そういう解釈が成り立ちそうに感じさせられてしまいました。

    いやあ!ホントに、観れば観る程、味わい深い素敵な作品で、惣介の台詞ではないけど、小劇場の芝居が、皆この作品みたいに、心底楽しめる舞台だったらいいのにと、心から、感じました。

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    2011/12/18 22:00

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