Archives of Leviathan 公演情報 風琴工房「Archives of Leviathan」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    2日め観劇
    青色発光ダイオード(と、思われる。劇中明確な表現は無し)の開発に関わった技術者達と会社の話。その話の聞き役となるフリーライター。
    現実会社に勤めてそうな配役、舞台セットに眼を惹かれ、いいアクセントの生音響、青色の映える照明、お見事だった。
    以前、仕事で医療系技術者達と関わる事があったけど、その時の人物像や出来事が類似してて思わず苦笑い。
    冒頭からチラシ絵の一部を彷彿させる行動が洒落てた。
    題材が難しそうに思えるけど杞憂でした、面白かった!

    開発事業や技術系、医療とかに関わる人達にかなり受け入れられそうな作品と思った。

    ネタバレBOX

    特許と利益と研究と嫉妬が上手い具合に纏められ、濃密な時間を体験。

    理系男子がそのまま大きくなると、言葉悪いけど理系馬鹿一代に成り代わる。研究一筋学生から社会人の肩書きに変わっても「会社員」の自覚をあまり感じていないんだろうな。それも致し方ないか。
    それでも彼らは暮らしに役立つ研究の成果を達成させようと日々の研究に没頭する。当然の事ながら会社側は、利益やら従業員の保証やら考えねばならず、そうそういい顔は出来ない。明確な成果が欲しいが日々が過ぎて行くだけ、が、意外な人物の行動に状況が一変して‥。
    もし自分があの職場のあの人の立ち位置だったら、あの心情もわかる。

    伊勢谷と日下の技術者らしい関係の会話のやり取りに目標を達成させるまでの充実さを感じ、ビーカーをコップ代わりにする箇所は「あるある」と、思わずほくそ笑んでしまった。

    秀才肌の伊勢谷は一足先に大人になり、天才肌の日下は純粋なまま、あまり他人の外気に触れる事なく生きてきたんだろうな。だから周りの嫉妬心にも鈍感だったのかも。頭の良さは双璧だけど、性格の資質の違いからか、この二人の対比が面白いように前面に出ているように見えた。
    けど、実際生きている上では、みんなそれぞれ性格が違うからそれが当たり前なんだよね。
    芝居上、変に誇張されると不自然になりそうだけど、この作品に関しては、役者さん達が上手いのでその辺すんなり入って見られた。

    会社と研究者達の橋渡し役というか板挟み状態の室長。
    地方都市の会社人事の部長と社員。
    同じ技術者なのにちょっと立場の違うガンちゃん。
    都会に残って研究するより、地元に彼女がいたのでそのまま就職の井上。
    一歩引いて周りを見ているような医療系技術者出身の小出。
    (どっちがどっちだったかしっかり認識していない→申し訳ない井上と小出)
    観客の疑問を先導するように聞いて行く久我。

    日下は役員待遇に満足せず技術開発者の道を選択し退社、その後裁判を起こす。被告は伊勢谷。
    各自、思惑が交差した中、最終的に発明は達成され、それなりに形になったので関わった人達は好運だったのではないかなぁ。
    それとも思い出したくない仕事の一つになっちゃたのかなぁ‥。
    あ、会社側にしたら、退職金出したのに裁判起こしやがって!って思うか。
    エピローグの部分は端折っていたけど、それでいいと思う。そこまであったら翌日仕事行きたくなくなるもんw。

    変化にとんだ棚方式の舞台装置や小道具使い(どうでもいいが、あの当時からパソコン使ってそうだけど眼に入らなかったな)、客席近くにいて舞台を盛り上げる効果音、研究テーマの基でもある「青」の照明、綺麗だった。
    見て聞いて納得、大満足の舞台でした。

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    2011/10/21 02:36

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