文學青年 公演情報 GO-SUNS「文學青年」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    情けない男と輝く女
    文学少女という言葉には知的で清楚な香りがするのに、文学青年というと、地に足のつかない、もしくは肺病やみのイメージがある・・・・・・というのは、もっぱら私の偏見ですが、まさしく、清楚で美しい女性と地に足のつかない男の『青春の終わり』というのを堪能しました。

    芝居の中に盛り込まれた文豪ネタには、国文科の血が騒ぎました。と、同時に、坂口安吾に失礼だわとも(笑)

    麻里子役の遊井亮子さんがとても素敵でした。こんなにきれいな人がすぐ目の前でお芝居しているのを見られるなんて、小劇場って素敵ですね。
    麻里子に感情移入しすぎてしまったので、村井の言動にはいちいち腹を立ててしまいました。

    (ネタバレの内容は、私が村井に毒を吐くというだけのものです)

    ネタバレBOX

    だいたいね。
    結婚もしていないのに、長々とヒモ状態で食わせてもらって、彼女が父親から譲られた大切な喫茶店を「ホストクラブにする」とか、何寝ぼけたこと言ってるの。彼女は嫌だって言ってるじゃないの。
    風営法が何だとか言い訳がましいこと言っていたけれど、そもそも、あなたがちゃんと働いていれば、麻里子さんは喫茶店で「文豪ナイト」なんてやらなくってもフツーに食べていけるのです。
    周りがみんな「書け書け」って言ってるのに、グズグズグズグズ・・・・・・書けないなら、すっぱり筆折って働けっつーの!!
    「俺だって生活かかってるよ」って、ひとの喫茶店あてにして何言ってんだクズ。ヒモ。
    菜緒ちゃんへの説教(?)も「自分を幸せにできるのは結局自分だから」と言った直後に「恋愛は一人じゃできないんだから相手のことを考えないと」とか、
    いったい何が言いたいんだ。いちいち文豪や他人の言葉を引用して、自分と言うものがないから、薄っぺらいんだ。ペラペラなんだ。

    「店一つ終わらせるのがこんなに大変なんて」と、最後まで後始末に追われている麻里子のところに、(全ての引越しが友人たちの手で終わった頃になって)ノコノコ現れ「あっけないな」って・・・もう、その頭に向けて心の引鉄ひきました。チュドン。
    案の定、麻里子が怒ってくれて、よかった。馬鹿は言わなきゃわからないからね。言ってもわからないヤツもいるけどね。

    ラストシーン。
    「これで終わりなのか」と未練がましい村井に、「生きなきゃ」と言い残してさっそうとドアの向こうに消えた麻里子には、ブラボーと拍手を贈りました。

    麻里子ほど綺麗で優しい人が、あんな男のそばに20年近くもいたなんて。お気の毒としか言いようがない。結婚しないで30代後半をむかえる、その気持ちは女しかわからないでしょう。でも、こうなった今は、籍入れないでよかったと言えます。うん。よかった。抜くのも大変だもん。(いえ、私は籍抜いた経験ありませんが)
    「さみしいから優しいのか優しいからさみしいのか」
    多分、優しすぎてさみしくて、最初の一歩が間違っていたんです麻里子。
    次の人生のステージではもっともっと輝けるはず。大作家になった山崎くんとの再会とか、素敵だと思う。

    村井は、振られた最後の最後まで川端とか引用していたけれど、お前は一生涯他人の言葉をつぶやいて生きてろよ。
    ・・・と、呪詛をはきたくなりました。
    うん。吐いたね、今ね。

    ここまでのめり込んで見られたというのは、すごく楽しんだということです。
    麻里子さんが素敵だったし、脇の男性陣もやけに美形がそろっていて、ちょっと得した気分です。

    素敵なお芝居をありがとうございました。

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    2011/10/10 08:22

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  • kazuokga5409さま

    こんにちは。
    コメントありがとうございます。
    kazuokga5409さまのコメントも、色々なところで拝見しています。
    すごくたくさんご覧になっていらっしゃいますよね。

    ネタバレ、思いの丈ぶつけてしまいました。
    こういうとき、自分のことは心の中の頑丈な棚の上にのせてます(笑)


    2011/10/10 16:48

    いやいや、ネタバレで書かれていた内容は、女性だけでなく、男の私から見ても全く同感です。これくらいズバリと言われると、もう何もつけ加えることはありません。
    もっとも、じゃあお前はしっかりしてるのかと訊かれれば、答えに詰まってしまいますが…。

    2011/10/10 10:25

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