背水の孤島 公演情報 TRASHMASTERS「背水の孤島」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    311事件のその後
    昼割で観劇。この舞台で3300円は良心的だ。
    一幕「蝿」二幕「背水の孤島」からなる3時間20分休憩ナシの公演だったが、全く飽きずに、むしろ飲み込まれるように観た。TVの映像で客観的にしか見ていない東日本大震災だが、被災者家族を主軸にTVクルーとの見る側と見せる側の演出構成とエネルギー問題を取り上げ二部構成にまとめた社会派劇だ。相変わらず、暗転後のガラッと変わる
    舞台美術(福田暢秀)が素晴らしい。まるでマジック。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    舞台は石巻市郊外。被災して納屋で暮らす貧しい一家・片岡家にテレビの取材が入る。テレビ局はドキュメンタリー用に一番貧しい家を選び、貧乏暮らしをアピールして視聴者から同情の声を拾おうとし、片岡家の家族を利用して美談に仕立てようとする。しかし、様々なトラブルや缶詰工場からの略奪、不倫など、美談を裏切る出来事が次々と起こる。

    一方で片岡家の主は補助金を貰い多くの人々の善意に甘えて、それにすがって生きて働こうとしない。こうした人の心の腐った部分に蝿がたかる。 震災直後の混乱に乗っかって何をやっても許されるという、人の心の汚さ、穢れた人間の業を描き出した美談の裏に潜んだ矛盾を描写した問題作だ。蝿の羽音、ブーーン・・ブーーンが音響で流される。

    後半は近未来の東京・永田町。原発を推進する大臣と石巻市郊外で関った人たちが反原発派として登場する。TRASHMASTERSの近未来の設定はいつも出世した人々が登場するが今回も相変わらずだ。汚い政治の世界を全て背負ったような大臣に立ち向かう、かつての片岡家の長男の交渉術(放射能爆弾で脅すなど)があまりにも見事だった。また、大臣の吐くセリフ、「人名より統治」は政治の世界では、それが正義なんだろうな・・。などとリアルに思える。

    エネルギー政策に関して、樹木の太陽光発電機は凄くいいアイデアだと感心し、表現者として物申す姿勢は中津留章仁ならではだ。政治の腐敗と日本経済、被爆者の問題を取り上げた舞台だった。字幕で「希望などない。それでも生き続ける。」はドカン!と心に響き、涙する場面もあった。見応えのある3時間20分。時間のある方は是非に。素晴らしい舞台です。

    追伸:役者全員の演技力が素晴らしい。セリフ噛みもあったが、この長丁場、致し方ないと思う。問題は当日パンフだ。できたら役柄も載せて欲しい。メモ取るのが大変なんだってばっ!笑

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    2011/09/14 19:02

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