HELLO! 公演情報 表参道ベースメントシアター「HELLO!」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    若手タレントと小劇場も相性があいそう
     とある町の喫茶店を経営する家族と、それを取り巻く人たち一人一人の、挫折と不安と、それをなんとか乗り越えようとするエピソードがからまって展開する話。
     一人一人には深刻な話でも、それを取り巻く一人一人にはどう取り扱うかとまどってしまう。
     観客として観る側にもそのように映る。それが淡々と進行している舞台として感じた人が多かったに違いない。
     私には、そうしたことがとてもリアルに感じた。あえて凝らない、ひねりも加えない、正攻法で一人一人の人生のひとこまを描いていた。他人からみれば大したことのない新たな生き方を模索し、ほんのちょっとの曙光をみいだすことで舞台が終わる。『HELLO!』のタイトルには、そうした意味をこめていたのかどうか。新たな元気を社会にもたらすなんて大それたことを考えず、一人一人が自分の生き方に責任持って、立ちむかうメッセージとして、この舞台を、私は受けとった。

    ネタバレBOX

     若手のタレントを囲んで、演技上手な小劇場で活躍する俳優・女優陣のバランスが良かった。
     白又敦は若いエネルギーを感じる。これからの伸びを期待したい。
     三宅ひとみ、可愛い子だ。それだけでも価値がある。これからどんなプラスをするか楽しみ。
     この二人のタレントも舞台等のキャリアを積むことで大きく成長していく可能性を秘めている。
     ザンヨウコ、母さん役が似合っていた。子どもたちのことを心配しながら、どうしていいかわからず、再婚話にも迷っている母親を演じた。幅広い役をこなせる女優。
     黒木絵美花、姉役で芯の強い他人に弱点みせない負けず嫌いなところを演技として見せていた。こうしたOLって周りによくいるよな。優等生を演じきっていて好感が持てた。
     武子太郎、アルバイトの国家試験浪人をしている青年役。なんとか、みんなの仲を取り持とうとするが、どっかでずっこける。憎めない青年。いい味出している。
     大川翔子、タレントのマネジャー役。独りよがり、相手の気持ちを読めないあわてんぼうな感じを、オーバーすぎる程の演技で演じた。正直、くどくなりすぎたかなという印象。ただ、この舞台の狂言回しと考えると納得。
     それぞれが今後の可能性を感じさせる舞台であった。

     

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    2011/09/05 07:19

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