満足度★★★★
若手タレントと小劇場も相性があいそう
とある町の喫茶店を経営する家族と、それを取り巻く人たち一人一人の、挫折と不安と、それをなんとか乗り越えようとするエピソードがからまって展開する話。
一人一人には深刻な話でも、それを取り巻く一人一人にはどう取り扱うかとまどってしまう。
観客として観る側にもそのように映る。それが淡々と進行している舞台として感じた人が多かったに違いない。
私には、そうしたことがとてもリアルに感じた。あえて凝らない、ひねりも加えない、正攻法で一人一人の人生のひとこまを描いていた。他人からみれば大したことのない新たな生き方を模索し、ほんのちょっとの曙光をみいだすことで舞台が終わる。『HELLO!』のタイトルには、そうした意味をこめていたのかどうか。新たな元気を社会にもたらすなんて大それたことを考えず、一人一人が自分の生き方に責任持って、立ちむかうメッセージとして、この舞台を、私は受けとった。