さよなら また逢う日まで 公演情報 ブラジル「さよなら また逢う日まで」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    なれの果て
    当日券が売れまくり、結局薬局、紀伊国屋ホールを満席とさせてしまうブラジルはあっぱれ!
    指をパチンッ!と鳴らしての始まりがカッコイイ。全員が黒いスーツを身に纏い、これから始る物語がヨーロッパのどこかで紳士が犯罪を犯すさまを想像させる。また導入音楽もいい。さらに彼らのアジトが廃校跡のような風景も、一枚の絵画を観ているような雰囲気で美しい。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    物語は、強盗に失敗し、ひとりで罪を被った男が、4年の服役を終え、出所してきた。男は服役中もかつての仲間を庇い決して仲間の名前を吐かなかったのだった。男は、昔の仲間と新しいメンバーを集め、新たに現金強奪計画を実行しようとする。メンバーは全部で9人。現金は7億だ。

    劇中、一人分の分け前は7000万という行があったが、ワタクシはどう考えても7億を9人で割ると7000万なはずがなく、何となく解せなかったが、数字に関する何か重要なセリフを聞き逃したのだろうか?

    この9人のメンバーの中に、女2人が加わっていた。4年前に銃で撃たれて大怪我をした宮下と、オトコマエのカッコイイ女・矢野だった。完全犯罪を行う場合、女は不必要なのだが、ここでも宮下に特別な感情を抱く男たちが宮下の犠牲になってしまうのだから、なんともやりきれないのだ。

    前半はナンセンスコメディをちらほら魅せながらも登場人物の絶妙な会話で観客を引っ張る。後半にかけて、7億の大枚を無事、アジトに運んだ場面で、長谷川が何者かに銃で頭を撃たれ殺されてから、アジトでの人間関係が崩れ、全員が誰かの裏切り行為に過剰に敏感になり始め、疑心暗鬼に陥ってしまう。千葉の「仲間を信じろ」という説得も耳に入らず、やがて仲間を信じることが出来ずに、争いの中、一人ずつ殺されてしまうのだ。

    しかし、終盤で宮下が男たちの裏で糸を操り、7億の現金を我が物にしようと企んでいたことがバレてしまうのだった。何の躊躇いもなく伊藤と佐々木を殺す宮下。最後の生き残りの千葉は「仲間なのになぜ殺した!」と叫び宮下を殺そうとするも、「仲間なんていない。金としがらみと憎しみで繋がっていただけ」と吐く。これを聞いた千葉は自分の頭に一発の弾丸を見舞う。

    「これが永遠の別れだとしても、さよならは言わない。また逢う日まで」は8人の死んだ輩への賛美歌だろう。男たちは金じゃないという理想を掲げ、一人生き残った宮下は現実的に7億の現金をせしめる。

    劇中、ブリックパックのキャッチボールがあったがこの演出が実にセンスいい。一人で罪を被った男とそれによって負い目を背負った仲間と、一人で怪我を負った女の生きざまを描写したような舞台だった。

    心から素晴らしい舞台だったと賞賛したい。


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    2011/08/14 22:35

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