満足度★★★
道中、お気をつけて
あやしいロケーションにありました、芝居砦。
東中野・銀座通りを抜けて、人影薄い通りを歩き
墓地と寺院を横目に見つつ、古いマンションの地下劇場。
雨の降る昼間に歩いていても、何だか神隠しにでも
合いそうな雰囲気、これ、夜は怖いだろうなぁ。街灯も少なそう。
雨天のせいとは思うけど、ホラー映画に出てきそうな
マンションの階段を、1段2段下りていくと
そこには劇場が。下駄箱に靴を入れて、スリッパに履き替えて
いやに天井の低い劇場の中へ入っていきます。
まさにアングラ、まさに実験劇場な感じです。
作品によっては、劇場が演出を加速させるほど趣のある作品。
ただ健全といって問題ないでしょう、オールビーの「動物園物語」を
上演するには、やや不釣合い。
とてもメジャーな戯曲を、映像で見たことのある役者(松田洋治)が
出演していると、何だかリハーサルというか稽古を見ているみたい。
永遠の少年、松田洋治も、こう至近距離で(席数50位)見ると
「あぁやっぱり、それなりだなぁ」と感じます。
声はさわやかなんだけど、後頭部や顔に年輪を感じます。
声はさわやかなんだけど、2人の子供を持つ親の役。
シェークスピア劇同様、芝居を楽しむというよりも
役者のテクニックを堪能する題材の作品なので
役者の個性に依存する部分が強い。
(確か、年初め、アクセス貴水と、段二郎で
その面では、無名?の役者と松田洋治の競演は
いまひとつ引き寄せる魅力に乏しい。
好みが分かれるところではあるが、僕は正直退屈だった。
こう、吸引力がないだよなぁ。一生懸命頑張ってはいるけど、
彼らの姿しか見えない。
彼らを通じて、その役柄の背景や歴史、環境が見えてこないと
このような研ぎ澄まされた作品は面白みがない。
まぁチケット代は安かったし、劇場も近かったし、地下実験劇場だし、
何より上演時間は1時間と短いし、
これで不満を上げたら、バチがあたるか。