「 □.  」 満員御礼の内に終了いたしました!!皆様ありがとうございました☆! 公演情報 コズヱヲプロデュース「「 □.  」 満員御礼の内に終了いたしました!!皆様ありがとうございました☆!」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    暗闇に面白さが潜むはずだった
    物語や上演に関しての各種設定は興味深いものがあった。
    作品を構成している各パーツには面白さが潜んでいたと思う。
    それが有機的に、具体的な面白さまで進んでいかない残念さがあったのも確かだ。

    ネタバレBOX

    身体に傷が付くように見える奇病とミガワリ様という迷信を重ね、さらにそれに運命×自己犠牲というフィルターをかけて、家族と因縁話風にしたてようとした設定は、とても興味深い。
    しかし、設定がわかるというだけで、深みや面白さの領域まで達しなかった感はある。因縁めいた「なぜ」の部分が深さを増せばよかったのではないだろうか。

    妹を包帯でグルグル巻きにし、天井からつなげたビジュアルもいい。宿命だったり肉親(家族)にしばりつけられている妹を、まさに表現していた。
    こうなるともっとそのビジュアルが活かせなかったものかと思ってしまう。

    また、暗闇がキーワードであり、暗闇(薄暗闇)にこだわる作品であるならば、それに合わせて「音」状況(環境)についても気を配ってほしかった。声を荒げたり、ドタドタと靴音を響かせて歩き回るシーンが多いのだ。
    暗闇を活かすべくトーンを抑えた状況を作り出し、緊迫したシーンは声を大きく荒げるのではなく、台詞の表情でそれを見せてほしかったと思う。それによって暗闇は暗闇として成立したのではないだろうか。
    ドリンク付きの公演であったのだが、そのドリンクを飲むのをためらうほどの静寂と緊迫が必要だったと思うのだ。

    野良猫という設定も面白いと思うのだが、猫のトーンがほぼ同じであり、強さではなく、ささやくようなトーンで登場人物たちを挑発したほうがよかったと思う。

    さらに、観客に懐中電灯を持たせ、劇中、好きな場所を照らしていいという設定も面白い。しかし、実際に上演中に懐中電灯を点けるには、ちょっとした勇気が必要であり、使うタイミングが演出されればもっと効果的ではなかっただろうか。

    それと、説明文等で「孤高のメルヘン系メンヘラ女優三浦梢」と自ら称しているが、それは観劇前の情報としていい影響を与えていないと思う。そのラインから読み解くと「包帯少女+お兄ちゃん(妹)=萌え」理論のライン上に、今回の物語があるかのごとく見えてしまう。

    ということで、面白くなりそうな設定と状況が揃っているのにそこまで達しなかった要因はこのようにいくつかあったと思う。
    1つひとつのパーツではなく、それを組み合わせた世界観をきちんと設定することで、作品を創り上げていくことで、もっとよくなっていくのではないかと思った。
    つまり、三浦梢を軸として、その世界観を肉付けしていくということだ。
    今回の作品であれば、暗闇の中で、痛みを伴う、辛さを観客に共有してもらう舞台でよかったと思うのだ。

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    2011/07/26 07:51

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