ゆすり 公演情報 アル☆カンパニー「ゆすり」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    禁じられた恋
    顔面神経痛のきみこ役を演じた井上加奈子が、顔面をヒクヒクさせるさまは流石。平田満は終演後、舞台挨拶をされたが、その話し方に人柄が滲み出ていて好感を得た。全体的に三人の演技力にソツはないが、日頃から小劇団の役者らの秀逸な演技力を目にしてるせいか、小劇団役者らと演技レベルに大差はない。むしろ、彼らより小劇団の優秀な役者らの方が上手い!と感じた。そう感じるという事は、ワタクシ自身が日頃から良い芝居を観ているということなのだが・・。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    長谷川きみこの部屋を舞台に30年ぶりに安藤が訪れたことから始る人間模様。
    安藤はかつて長谷川アパートで暮らしていた。自分の窓からきみこの部屋が見えるのをいいことに、時々覗いて、きみこの様子を伺っていたのだった。そんなある日、安藤はベッドできみことその兄が愛し合っている光景を見てしまう。

    一方で兄ときみこは近親相姦の構図に罪の意識を感じて、苦悩した挙句、きみこの双子の妹・くみこを作りあげ、くみこと兄が愛し合ったかのように思い込んでしまう。そうすることによって、明日からちゃんと兄妹で居られるんだ、と。
    しかし、きみこは兄との過ちを「世界の終わり」と題した日記に書き込んでいたのだった。

    こうしてきみこは全てを記憶から消し去って何事もなかったように結婚し、やがて離婚し兄は独身のまま時は流れる。そんなある日、30年ぶりに父親の葬儀に訪れた安藤から、兄は妹との過ちをネタに自分に300万円を投資してくれと、強請られる。未だにきみこを愛している兄はこの強請りをきみこに知られまいと努力をするのだが、きみこは過去の出来事をすっかり思い出してしまうのだった。自分の身代わりに立てたくみこという存在そのものも・・。

    兄と妹の運命に揺さぶられた愛を起点に強請りをする安藤の人生をも炙り出す舞台だった。サスペンス的な要素の強い物語りで構成もしっかり。どちらかというと大衆向きな演劇だ。


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    2011/07/22 12:20

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