俺たちはエスパーじゃねぇ 公演情報 KAMAYAN「俺たちはエスパーじゃねぇ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    様々な未来観・人生観の交錯
    題材はとても興味深いものであった。
    小説家になりたいが、恥ずかしくて作品を見せるどころか、
    小説家志望であることさえ他人に言えないフリーターの女性・・・
    どうして夢を実現できないのか、いやそもそも夢は実現するものなのか、
    自問自答・・・というか独白。

    そして、彼女と直接関わりを持たないのだが、全く同じで、
    小説家を密かに志望している記者の男性。

    一方で、大学進学も、就職も自分の夢を叶えてきた実力派女性、
    努力を重ねて編集者になった苦労人だが少々アクの強い男性、
    さらにはちょっぴり超能力がある「えすぱー」(?)の男女カップル、
    それにTV出演するほど「未来予知」の超能力が認められており
    「未来は決められている。私はそれを見ることができる。
    未来は変えることができない」と断言する男性・・・
    これらの登場人物が、数人ずつ交錯して場面場面を構成していく。

    登場人物により、当然、未来観、そして人生観は異なるわけで、
    その違いのぶつかり合いがとても面白く、
    また観る者にも様々な(これらの、そして観客自身の)未来観・人生観を
    考えさせられる。

    こういう思索的・哲学的な題材は私は好みだし、
    構成の「骨組み」もよくできていたと思う。
    そんなわけで、多少の短所には目をつぶって5P!

    では、その小さい「短所」は何か?と言うと、
    正直、中々上手い表現が見つからない。
    (なお、基本的に、私はただ理由なく貶すようなことは
    しないつもりでおり、これまでも、特に批判的な部分については、
    なるべく具体的に書いてきたつもりです。)
    例えば、台詞としては、基本的にはいいのだけど、
    でも「少々くさいな」と感じた所が何箇所か・・・。

    当たっているかどうかは分からないが、
    先程「構成の“骨組み”」と書いたように、
    基本的には「未来観・人生観の異なる人物を交錯的に登場させていく手法」
    は上手い方法と思うのだが、
    あまりにその「骨組み」自体が直接ぶつかり合ってしまい過ぎているのかな、
    という気がした。
    なにか、オブラートに包んだり、緩衝材があったりして良いような気がするし、
    その「オブラート」「緩衝材」が秀逸だったりすると、
    演劇の「芸術的」な側面がより良いものになるかな・・・
    どうも上手く言えないが、そんなことを感じた次第。

    役者も、その「配役」のオーラを見るからに放っている人が多く、
    これは良かったと思うのだが、ただ、こちらも、
    (今述べた「骨組み」の話と共通する気がするが)
    言動にちょっと雑なものがある気もした。
    より細部まで、気が回って行き届いているとなあ・・・
    と少々思ったのも確かである。

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    2011/07/17 01:57

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