キャッシュ☆オン☆デリバリー~Cash on Delivery~ 公演情報 ファルスシアター「キャッシュ☆オン☆デリバリー~Cash on Delivery~」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    大健闘!
    「観たい」にも書いたが、この戯曲、あかぺら倶楽部で昨年の夏、「誰がために金は成・・・ル」という題名で上演されたのを観ている。
    レイとマイケルが親子ということで、「笑いのDNA」というタイトルで感想をまとめた。奇しくもあかぺら倶楽部は創立20周年、ファルスシアターは創立10周年の記念公演にこの作品を選んだ。ファルスはあかぺらのちょうど半分のキャリアだが、ともにレイ・クーニー、マイケル・クーニーらに代表されるシチュエーションコメディーを中心に上演していて、先輩・後輩のような劇団だなぁと思って観ている。
    ファルスは劇団員が若いだけに配役に苦労があると思うが、今回は大健闘だったと思う。
    神谷はつき、堀米忍の看板女優2人がスタッフに回り、女優陣に客演者を迎え、配役にも工夫したようだ。
    大いに笑って楽しんだが、劇団員は中年でも若い女性が中心観客層のあかぺら倶楽部のような場内大爆笑といった感じにはならず、反応が鈍い。
    こちらはいわゆる小劇場劇団の観客層が来ていたようで、微妙に違うのだろうか。
    あまり笑うと悪目立ちしそうで何だか気兼ねしてしまった。
    若手ながら頑張っているので、シチュコメファンにはぜひ観ていただきたい劇団だ。

    ネタバレBOX

    前回の時、詳しくストーリーを説明しながら感想を書いたので、今回は省かせていただく。
    主役のエリック・スワンの白土裕也は童顔で、いつも若さがネックになるが、今回はまずまずの好演だった。
    相棒役のノーマン・バセットはWキャストで、私が観た回は客演の塩原俊之。塩原は身長も高く顔だちも外国コメディーには適した俳優だと思うが、演技にぎこちなさがみえ、若さが出た。あかぺらではベテランの大西健晴が完璧に演じていただけに、正直見劣りがした。だが、後半になって、いい感じになってきたので場数を踏んでほしいと思う。
    チャップマン先生の矢吹ジャンプ(こちらもWキャスト)は、安心して観ていられる。この人はシチュコメを演じるために生まれてきたような俳優だと思う。
    今回、特によいと思ったのはジョージおじさんの七樹禄と、ミスター・フォーブライトの仙石智彬(Wキャスト)。
    ジョージおじさんはあかぺらの時より色濃く印象に残り、いかにもお調子者の面白いおじさんで楽しめた。
    フォーブライトはあかぺらでは青年役で演じたが、こちらは初老の紳士で、仙石は若いのにちゃんとそれらしく見え、藤村俊二のような品のある可笑しみがあってとてもよかった。
    クーパー課長(大滝静香)は、あかぺら版とセリフはまったく同じなのに、あかぺら版ではエリックへの疑いが感じられて説得力があったが、今回はそこが弱い。
    ジェンキンズ調査員(前村圭亮)もこの役らしく、この人を見るといつもホンジャカマカの石塚さんを思い出すのだが、巨体をフルに動かして熱演していた。
    避雷針に落雷し、爆発状態でフラフラになって登場する場面、あかぺらでは大爆笑が起きたが、今回はなぜか笑いが少なかった。
    あかぺら版では、屋根に上る場面も屋根で実際に演技し、客が大笑いしていたが、今回の上演では、屋根の場面は声のみ。そのあたりが落雷後のリアクションの違いかもしれない。
    今回も壊れた洗濯機が出てきたが、活躍は控えめに見えた。あかぺら版では客席から「ワー!」という歓声が上がったが。
    ファルスシアターも、次の10年目指して、続けてほしいと思う。

    0

    2011/06/30 14:42

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大