番町皿屋敷 公演情報 花組芝居「番町皿屋敷」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    オチャラケ版皿屋敷
    オチャラケ95%で、あまりにも入れ事が多すぎる。

    少し早目の暑気払い納涼企画という感じで、岡本綺堂の原本を観ていれば、それなりに楽しめる部分もあるが、
    ここまで脚色してしまうと、パロディーコントというか、昔の東宝の「雲の上団五郎一座」みたいな感じだ。

    贔屓の俳優のはじけっぷりを観るファンには楽しいのだろうが。

    まぁ、花組芝居というのは多分にそういう劇団だから、私は昔に観て引いてしまったのである。

    最後にいくら真顔になって演じても、哀れさなんて響いてこない。

    これを初見でごらんになった方には、ぜひ本家の岡本綺堂のほうもごらんくださいとお願いします。

    子供の頃、愛しているならなぜ播磨はお菊を許してやらなかったのだろう?と疑問に思った。

    武士の心底を家来の女に疑われるということが、「旗本として男の意地を通す」播磨には許せなかったのだろうし、アイデンティティーがこの時代の武士にとって、いかに大切なものかということがよくわかる芝居ではある。、

    女は恋に命を懸け、男は意地に命を懸ける典型のような話。

    武士道とは比較にはならないが、男の沽券という意味では、彼女にケータイを見られたという理由で別れる現代の男女の恋愛心理にも相通ずるものがある。

    ネタバレBOX

    加納幸和のお菊よりも傍輩を演じた堀越涼のほうが目立つ演出になっているのが気になった。

    衣装も中間色の淡い総花模様の加納より、花紫の地の縫い取りを着た堀越のほうが主役に見える。

    話題の映画「ブラック・スワン」を演じる場面はご愛嬌だが。

    お菊の悲恋が生きてこないきらいはあった。

    芝居がどうこうより、加納が若手を遊ばせて楽しんでるふうにも見えた。

    それならいっそ、小林大介と堀越に播磨とお菊をやらせ、加納は伯母役に引いて、もう少し楷書で演じたものを観たかった気もする。


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    2011/06/17 02:53

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