恋する、プライオリティシート 公演情報 コメディユニット磯川家「恋する、プライオリティシート」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    疾走するコメディ
    関東とか関西という分けに意味はあんまり無いかなと思うけど、「コメディユニット」と冠している団体さんなので、期待して足を運んだ。

    舞台は、バーがしっかりとつくられていて完成度は高い。上手にはピアノ。下手はエレベーターとトイレ。

    話の軸は、美人の障害者(物延結)とバーテン(渡辺毅)の恋。そこに、周りのバーの客や親族、元彼やマスコミなどが入り乱れてのドタバタコメディ。ドタバタコメディで嫌なのは、舞台上だけ盛り上がって客席は冷めているような公演。本作品は、こんな心配を吹き飛ばす一体感が会場を包んでいた。

    特に、終盤のノリの良さは、ピアノの伴奏も相まって、一気に大団円のハッピーエンドにお客を運んでいく。
    実に軽快なラストで、爽やかな充実感が残った。


    ネタバレBOX

    理香(物延)は表向き性格に難ありの障害者。バーで男を試しては無為な毎日を過ごす。バーテンの迫田(渡辺)は、そんな理香に告白するが…。

    ドイツに行って手術すれば回復する可能性のある理香の障害だが、理香は自分のお金でなければ渡航しないと意地をはる。周囲の人間らの思惑も加わり、鈴(白石廿日)は、婚約者の敏太(島岡)の貯金(結婚資金)1,000万で、皆の悩みを次々解決し、理香の渡航費も持ち、皆は幸せになる。ここのピアノのノリと鈴のノリ、その他の演者のノリの一体感に思わずニヤリとしてしまった。


    障害者を扱うと、ストーリーや人物像が重くなりがちだが、笑い重視の「コメディユニット」だけあって、テンションはひたすら高く、ポジティブな舞台を保ち続けた。まったく曇りがない。
    もちろん笑いの部分も多くあった。一番笑えたのは、ピアニストの全力疾走だったが…意外でびっくりしたくらい。

    一応マイナスを上げれば、登場人物がやや多めなので、多少削っても良い箇所があったりすると思う。その分、主役二人のストーリー、もしくは姉の珠(信原)とのやり取りを掘り下げるとか…再演があればさらに練って良い舞台に仕上げてほしい。

    なんにせよ、★5文句なしの公演でした。

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    2011/05/23 01:40

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