タブーのようで
劇団紹介にもあるように、“ゆとり世代生まれであることをいいことに「やってはいけないことを分からないフリしてやってしまう」”のが作風で、今回などもろにそれを狙ってやったのだと思われる。
しかし、本作を拝見した限り、「言っちゃいけないことを言っちゃう」つもりでいて実質何も言っていない、と感じた。
各宗教とそれを紹介(代表)するキャラクターが、宗教を象徴しておらず、特徴を捉えていない。なので宗教の要素を使って笑いを取っているが、風刺になっていない。
総じて「宗教キモーイ」のまま終わってしまっているように感じて残念だった。
この作家・この劇団、というかこの座組の共通見解として、何を宗教と捉え何をカルトと認識しているのか、何を許容し何を批判するのか、その線引きが見たかったし、それがハッキリしていればギャグがおのずと風刺に近づくのではないだろうか。
ともあれ、劇団のカラーを積極的に打ち出しているところや、色々な面白い試みに取り組むところなど、意志や意欲の面で共感や好感を覚えた。