Jのとなりのオニク 公演情報 男肉 du Soleil「Jのとなりのオニク」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    ほとばしる、男のむっさい汗。熱っ苦しすぎるぜ男肉ファンタジー
    男肉 du Soleilって、ダンスユニットだと聞いていたが、果たしてこれはダンスなのか?? 
    まあ、そんなことどうでもいいじゃないか。
    「ここにいるよ」ということを「ここにいるぜ」と、ちょっと強がってみせるのが、彼らのダンスなのだろう。

    ネタバレBOX

    劇的な日常がないと嘆く主人公が、死のうと思って入った樹海で、森の番人に出会う。
    森の番人は、かつて自然を破壊する者として、自然に滅ぼされてしまった人類だったのだ。

    森の番人は、ダンスで地球を再生しようと主人公に呼びかける。
    主人公は、それに共鳴して、アマゾンだのサバンナだの、北極だのに出かけてダンスによって、自然を再生していくのだが、主人公も思い余って、かつて人類を滅ぼした自然と同じように、人類を滅亡させようと思い始めるのだった。

    って、書いてくると、なんだか、エコをテーマにしたファンタジーのように見えるのだが、まあまあ、身体ひとつで、セットも装置もな〜んもない舞台だから、エコっていゃあ、エコかもしれない。が、しかし、ファンタジーではない。
    だって、上半身裸の男たちが、汗だくで踊るんだから。いや、でも、それはファンタジーと呼ぶしかない。男肉ファンタジー。

    ダンス公演として見ると、いろいろ言いたいこともある。ダンスって何? って話にもなるので、そこは避けるが、とにかくよく動く、それは身体の動きがいいということではなく、ただがむしゃらに手足を振り、身体を曲げ、伸ばしているということで、体力的に、ということでだ。半端ない運動量。
    よくもこんなキャラ集めたな、といういうような男たちが、とにかくよく動くのだ。特に、2時間近い上演時間の中で、後半にいくほどそれが激しくなっていく。

    本気で、全身全霊を込めて動く。後先なんて考えてないんだろう。そういう姿は、もう、バカバカしくって素敵だ。物語も、本気で自然と人間のことを考えているとは思えず、ど〜でもいい感じになってくる。そんなことど〜でもいいんだよな。
    結局のところ、人前で、できれば裸で、動きたいんだよ、たぶん。

    そういう衝動だけで成り立っているのではないだろうか。単なる初期衝動だけで。それは、感動しそうなものだけど、本気であればあるほど、面白いと思ってしまう。
    取って付けたようなメッセージ的なものと、むさい男たちのファンタジーは、汗の臭いしか振り撒かず、本気で必死。
    そんな中にあって、自分たちの中では、確実に何か生まれていくものがあるのだろう。

    観客は、彼らの男肉ファンタジーを見守って、笑って、あるいは蔑んで、横を向いて、文句を言って、そのファンタジーに参加するのだ。
    だから、そんなモノは見たくないし、付き合いたくもない、と思う観客がいるのも当然だろう。

    しかし、それは、彼らにとっての快楽につながる。Mとかなんとか、そんな話ではない。(たぶん)不器用な男たちが、「ここにいることを見てほしい」「知ってほしい」というメッセージが、実際に舞台という華やかな場所で繰り広げられていること自体がファンタジーなのだから。

    にしても、結構いい年齢の客演・ヨーロッパ企画・中川さん、あのステージでよく最後まで踊り切ったと思う。
    しかも、このテンションで1日2公演ってのも凄すぎ。

    団長って、フライヤーでふんどしになっているけど、公演でもちょっとだけ出てきた。やっぱりふんどし。裸になりたい人なんだろうか、たぶんそうだと思う。そうきっぱりと言い切っていいと思う。「ここにいる」を人一倍アピールしたいんだな、たぶん。

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    2011/04/27 07:56

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