宇宙三兄弟
開幕ペナントレース
小劇場 楽園(東京都)
2014/04/08 (火) ~ 2014/04/13 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
開幕!!
開幕ペナントレースは、間隙を突く!!
それが、私が今まで見てきた彼らのスタイルだ。
演劇とダンスの間。
お笑いとシリアスの間。
ヤンチャとスノッブの間。
冷静と情熱の間。
喧騒と静謐の間。
混乱と精密の間。
虚と実の間。
生と死の間。
そういった物事と物事の合間、そこにまっしぐらに向かっていくグループ、、、それが開幕ペナントレースだッッ!!!!!
開幕ペナントレースはいつも、我々の抱く予想やお約束、そして期待や希望すらも跳ね除け、その合間にあるスキマを見つけ、無理矢理こじ開けてきたグループだ。
その力ずくの行状こそが、彼らの信条である【破壊力】に他ならない。
全身タイツに身を包み、個性を剥奪された男たちが、再び自らの生を取り戻すべく、あがきまくる。その熱が観客に伝播し、開幕ペナントレースをここまで押し上げてきた。
だが、彼らはさらに進化を続ける。
以前私は、彼らのパフォーマンスを初めて観た時に、かの榎本俊二が著した伝説の奇作、「ゴールデンラッキー」を彷彿させると、レビューで書いた。
だが、前々回「グレコローマンの休日」、前回「リア王貞治」を見るにつけ、もはや彼らはそんな場所にいないという事が分かった。
そう、宇宙なのだ。
目の前には、我々と異なる法則・美学で飛び回るむくつけきYABANなオノコ共が舞い踊る一つの小宇宙(コスモ!!)が繰り広げられていたのだ!!
その宇宙の中では、喜びも悲しみもエンゲキもゴキゲンなテクノもサーカスの団長もイノキもインターネットもキムチを漬ける時に発せられるカプサイシンもジューサーミキサーにかけられ、グチャグチャのまま手ごねされて、食べ易い様にハンバーグ状に盛り付けられる。彩りの一花にプラモを一心不乱に作る女子も添えて!
もはや「ゴールデンラッキー」を彷彿とさせてる場合ではない。「ゴールデンラッキー」と肩を並べるCLASSICへと、彼らは変貌を遂げたのだ。
んで、既にそういった美麗字句も跳ね除けて、さらに前へ前へ、スキマスキマへと入り込んで行こうとする怪物グループ、開幕ペナントレースは実に頼もしい。
これは見なきゃ、だぜ!!