富士山とヒツジが投票した舞台芸術アワード!

2022年度 1-1位と総評
ガラテアの審判

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ガラテアの審判

feblaboプロデュース

実演鑑賞

115分ノンストップの裁判劇。書きたいことは山ほどあるけどすべてネタバレに通じてしまうー(汗)!!とっても面白かったです。おすすめです。
アンドロイドが開発されて早50年、今では自己成長型ニューロチップの開発で人間と遜色ない見た目・頭脳・考え方を持つような存在になっている。
最新型アンドロイドとして開発された製造番号HY-1985型・俗称ジャックの試験機3体は、1体がラボラトリーに、残り2体が開発企業ゼペットワークス社関係先の一般家庭にテスター配備され、出荷前の最終テスト段階にあった。
そのような中、オオサキ家に配備されたジャックが隣人殺人で逮捕され、刑事裁判の被告人となる。
ジャックは人間なのか人間でないのか、人間的な責任能力を問えるのか、これは有責性を問う裁判なのか、それとも。。
これは殺人裁判という一言で片付けられる、いわゆる法廷モノではない。地裁の公判前整理手続における判事・検事・弁護士のやり取り、回数を重ねるに連れて各個人の人間性も透けて見えてきて、すべての関係者の思いに同苦してしまう。
そして判決だが…古い話かも知れないが、私は舞台を鑑賞しながら永山基準について思いを巡らせていた。犯罪の動機の有無や計画性、衝動性、殺害された被害者の人数や被害者家族の感情、前科などを考えていた。それをアンドロイドに適用するならば、どうなるかと。もし機械として裁くならこうであろう、でも人間として裁くならこうであろう、と。
判事の結論は、なるほどと言わざるを得ない。おそらく観ていた人全ての心の中に、新しい「何か」を残し、共有させる舞台であったと思う。
最後のピリッと気の利いた旧型アンドロイドのセリフに笑って締めくくりになったのも良かった。

総評

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