ひらまさが投票した舞台芸術アワード!

2017年度 1-10位と総評
荒人神 -Arabitokami-【2018年6-7月wordless殺陣芝居シリーズで東名阪ツアー決定!】

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荒人神 -Arabitokami-【2018年6-7月wordless殺陣芝居シリーズで東名阪ツアー決定!】

壱劇屋

8月から五ヶ月連続でのノンバーバル殺陣芝居。どれも雰囲気が違うもので、12月の「荒人神」はまさにその集大成と言える作品でした。前4作品を観てきたからこそ心に響くシーンも多く、人間の闇と光を描いて大いに揺さぶられました。
殺陣がふんだんに盛り込まれ、その段取りを想像しただけでも気が遠くなりそうなくらい。短い稽古期間にも関わらず、あれほど満足度の高い作品にまで仕上げるのは素晴らしいことだと思います。

戰御史 -Ikusaonsi-

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戰御史 -Ikusaonsi-

壱劇屋

これまでのノンバーバル殺陣芝居の中で断トツで戦ってた!その中でも赤星さんの運動量ときたら物凄い。物語が前作「心踏音」以上にややこしいので物販で買った台本を読むのが楽しかった。
笑顔で斬りまくるバーサーカーモードの赤星さんの通りすがりに 屠っときました的な容赦なさ。そうそう、これが観たかった!
サリngさんの衣装がめちゃくちゃ似合ってて、戦う姿がエボシ様だった。
巨体の満腹さんがあんなに動けるとは!パワー系の極み!
OPの軍勢の場面から完全に大熊ワールドで、不気味なマイムからの不穏さときたらもう!
赤星さんと満腹さんの対決。赤星さんのあのスピードで体格差をものともせずに攻撃を避けながら至近距離まで近よって、下から顔と顔を寄せてくる相手をナメ切った挑発ポーズ。満腹さんがまるで牛若丸に翻弄される弁慶のようだった。
逃げても逃げても現れる赤星さんがフレディ・クルーガーのよう。クライマックスは次から次へと得物が具現化され、殺陣が目の前でとんでもない速さで繰り広げられて手に汗握らずにいられなかった。

粛々と運針

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粛々と運針

iaku

どの人物に共感するかでかなり感想が変わってきそうな舞台。今回暗く打ちのめされるような内容ではないはずなんだけど、カテコ後に突然グッと込み上げてちょっとの間動けなかった。とてもよかったんだが、繰り返し観るのは躊躇う。
自分にはかなり重い作品だったがそんなテーマを扱うことの衝撃がさすがiakuにハズレなしだなって

ペーパーカンパニーゴーストカンパニー

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ペーパーカンパニーゴーストカンパニー

OIL AGE OSAKA

序盤の台詞の量と速さに驚き、ベタな笑いも入れたコメディ要素強めだったが、ラストに泣けて、二時間強があっと言う間。期待を遥かに越えた公演で観られてよかった!
東京の役者さんは初めて拝見した方も多かったが、さすが脂の乗った役者さんばかりでそんなこと関係なくお芝居に入り込めた。
終盤の福地教光さんと兵頭祐香さんのシーンにはじわじわと涙腺が追い込まれながらなんとか堪えたつもりが最後一気に決壊させられた。兵頭祐香さんのエプロン姿が可愛すぎてズルい。谷野まりえさんは最近大阪弁キツめの役をよく拝見してる気がするw

晴れ間・触れただけ

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晴れ間・触れただけ

劇団りゃんめんにゅーろん

短編1本と、3つのリンクする短編で構成される1本。いずれも2~3名での会話劇でBGMには生ギター。初めて拝見した劇団だけど、とても自分好みな雰囲気のお芝居で次回作も絶対観たくなった。
ずっと眺めてていたくなるようなお芝居で、緩すぎず、甘すぎず、熱すぎず、キツすぎず、ちょうど良い人肌のような感じ。

「晴れ間」
会社の経営危機で地方事務所にリストラ通達にきた本社社員と事務所所長の会話劇。
本社のデキる社員役での山本裕也さんが香川照之さんに観えてくるくらいキレ者だった。降りかかる奇妙な災難にビビりながらも迅速かつドライに対応されてたのが面白い。

「触れただけ」
さっきのデキる男役だった山本裕也さんが、今度はダメ兄貴で出てて、役の切替えのすごさに驚く。3つの短編がどれも男性が女性に翻弄される様が描かれており、バカだなぁと思う反面、わかるわーと男性側の肩を持ちたくなることが多々あった。
東千紗都さん演じる援助交際する女子高生と、本気で付き合いたいと迫る40代男性役のとだ直史さん。意外とあっさり受け入れながらも、試すような言葉を次々と投げかける。この子のホントの気持ちは一体どこにあるのかと、あの男性と同じ様に翻弄された気持ちで観てた。
突然ドキっとするような言葉を投げておきながら、途端に覆す。こっちの気持ちは置いてけぼりになってるのに、また意味深な言葉で翻弄し、突き放す。引いてみるとこいつめんどくせぇなって判るんだろうけど、渦中にいると飲み込まれちゃってもうココロがグラグラする。
一瀬尚代さんと神藤恭平さんの昔付き合っていた同士って設定が微妙な関係でドキドキ。完全に気のある素振りなのに突然否定するし。一瀬さんの掴みどころがなくどこか浮遊してる感と、そんな女性に心揺さぶられる神藤さんの揺さぶられそう感との組み合わせがとてもいい。

家族百景

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家族百景

七味の一味

七味まゆ味 新作一人芝居「かかづらふ」
七味さんが登場したときから胸がざわざわし始めて、暗転の度にそのざわざわが大きくなり、終わったときに大きく息を吐いてしまった。とても辛く苦しい気持ちになる家族の話。凄い舞台を観た。

七味の一味 第一回公演「家族百景」
親子三代のとても幸せな気持ちになる物語。悲しいこと、嬉しいことを舞台上の家族と一緒になって泣くことのできたよい舞台だった。
諏訪いつみさんのセーラー服姿や、東千紗都さんの花嫁衣裳を纏った美しい姿が観れたのがよかった。アレで凄む姿もまた面白い。シンプルな舞台セットだけど、今回初めてという七味まゆ味さんの演出はとても自分好みで、もっと他の作品も観てみたい。

同じテーマでも「かかづらふ」と「家族百景」では受ける感情が全く逆で、その落差がものすごいから、日を分けて観てよかった。一人芝居は密度が濃くってかなり尾をひいてどんよりしてしまった。「家族百景」を後に観てよかった。

憫笑姫 -Binshouki-

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憫笑姫 -Binshouki-

壱劇屋

台詞ナシ75分の殺陣芝居。
王様の気まぐれ?で戦場に出される女性たちが、最初は足手まといだったが、鍛えられて徐々に戦力になっていき、主演の西分さんがフルメタルアルケミスト的な衣装で登場する場面に鳥肌。彼女たちの勇ましい姿をみて涙腺決壊寸前。
全編を通してがっつり殺陣してて目が足りない。
末満さんの悪役は容赦がなくてすごくいい。末満健一さんの両手を広げた構えが、まさに王の剣術って感じで、あんなんで迫って来られたらそりゃ恐れおののく。
クライマックスに女隊三名が姉妹を助けにきたとき、包帯姿の西分さんに触れる川端優紀さんの手つきがとても優しくて泣きそうになる。
久代梨奈さんの殺陣が、最初へっぴり腰だったのがどんどん成長して、最後にはターンしての剣さばきがとても美しくなるほど。あの戦士はもっと強くなるぞ
末満健一さん演じる王様が、最初は良き王かと思ったら次第に黒い面が現れ、クライマックスでの殺陣ではハガレンでいうキングブラッドレイ的なめちゃめちゃ威圧的絶望的な強さをみせる。その王様はヘルニア持ちだから腰を狙え!とこころの中で応援してました

水の泡

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水の泡

〈三好大貴プロデュースBuilding〉

観劇中ずっとざわざわした気持ちで観ていたのは、恐らく共感できる登場人物がほとんどいなかったからか。エンタメでもなく、大きな事件が起こる訳でもない会話劇で誰にでもお勧めしやすいものではないが不思議とクセになる魅力があった。
細かいところまで作り込まれた舞台美術がとても自分好みで以前観た赤堀雅秋氏の舞台が思い浮かんだ。あの公演もこういうたゆたうような雰囲気ながら心に深く残る良い舞台で、今回もそれに似た印象を持った。暗い雰囲気の中に起こる笑い、ヒリヒリするほどの緊張感、様々な感情で揺さぶられる。
三好大貴さんの役はとことんクズで、生島璃空さんはゆとりの象徴のような役で人をイラつかせるし、クセの強い登場人物の中で佐々木ヤス子さん演じる山本さんが唯一共感できた。人物相関図では誰とも相関してなかった山本さんだが、観客の気持ちと一番通じていたのは彼女だったのかもしれない。
black chamberの周りの寂れた雰囲気が、お芝居の舞台になる町を感じさせ、とても良い場所で公演されたなと思う。
全然共感できない登場人物たちの中で唯一の常識人ともいえる少々オタク気質の入った山本さん。殺伐とした場面での彼女の立ち振る舞いや言動がどんどん可愛くみえてくる。花火の場面、一体過去に何があった!?山本さんのスピンオフ作品を作って欲しいくらい素敵なキャラクターでした。
劇場で実際に目の前でみる花火の光、火薬の臭い、車の質量感、雨の飛沫や湿度。ひとつひとつはほんのわずかな存在かもしれないけど、実物の持つ説得力には映像とは大きな差があり、演劇ならではの演出でとても素晴らしいこだわりだと思いました。

羽生蓮太郎

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羽生蓮太郎

劇団Patch

「れみぜやん」もそうだが、単に原作の設定を昭和の大阪に置き換えてる訳ではなく、今の自分の境遇にそっくりな物語があるがオレはそうはならないぞと足掻くオリジナル作品なので原作知らなくても充分楽しめる。
今回一番良かったのはオフィーリアを重ねた歩野親春役の田中亨さん。原作は女性だが今回は弟になっていて、その設定が「そうきますか!」と実に巧み。兄弟であることが上手く描かれていて、最後の場面では他の末満作品のある場面が思い浮かぶような台詞にグッときた。
ハムレットでの有名な台詞「To be, or not to be」の解釈が面白かった。関西弁だとそうなるかもなってちょっと納得。よく「尼寺へ行け!」と訳される台詞は、オフィーリアを男性に変えたことで「飛田新地へ行け」となったのかな?
序盤の羽生蓮太郎(ハムレット)役の松井勇歩さんと布袋昌吾(ホレイショー)役の藤戸佑飛さんとのやりとりのテンポがとても小気味よく、かなり稽古したんかなって思った。藤戸さん、いい役だったな。
デカいオカン羽生頑子(ガートルード)役の岩崎さんもいることだし、オフィーリアを女装してもよかったのではと思ったけど、あえて男性にしたことで恋愛要素が取り払われて、よりシンプルなお話になったんだろう。愛憎まみえると暗くてややこしくなるし。
日替り出演の蛍原康(フォーティンブラス)役の竹下健人さん、あの演技プランは台本なのか、独自のキャラ設定か気になるw 手下の二人がいい味出してた。パンフにも載ってたが、日替りではあるがゲスト扱いではなく劇団員としてキッチリと出演されていた。他の方のも観てみたかった。
作演推しで観続けてた劇団Patchなので、末満さんが退かれた後は、公演内容によって観に行くか決める。それってイケメン劇団なんて偏見が無くなって、自分の中では他の劇団と同じってこと。皆さんの内外の活動を観てきてそう思った。今後の活動に期待。

大豆の丸みに心打たれて生きろ

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大豆の丸みに心打たれて生きろ

テノヒラサイズ

今回もパイプ椅子とフレームだけのシンプルなセットでいろんなものが創り出され楽しかった。特に松木さんの大掛かりなアレはすごい!意外と人間関係が複雑で見応えあるドラマ。まさか最後に泣けるとは思わなかったわ!
中山功太さんのネタがタイトルになっていて、それで泣けてしまうんだからテノヒラサイズ恐るべし。このタイトルであのチラシやで!それなのに!これまでもがっつりコメディかと思わせといて、実は心にずっしりくる物語だったことがあったもんな、うっかりしてたわ!

総評

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