満足度★★★★★
そんな私をどう思いますか?
大胆でパワフルな場面構成と転換にまず圧倒されました!
ですから、大胆すぎて決して交わらないと思われた場面場面が、やがて融合していくラストは、あまりの見事さに震えが来る思いでした。
これはやはり、映像と舞台の両方を知っているというハイブリッドな嗜好……。
嗜好的な思考を試行する大胆さと自信……とでも言うべき演出が生む原色の情景。
それだけに、打ち出された情景が含むメッセージ性は半端無く強烈でした!
メッセージを託された自分が、今何をすべきかをその場で迫られる……それは脅迫であり、観客は否応無しに演出の幕間で回答を探す。
そしてそのすべてが演出の一部となって、回答へと結びつく!
みごとです!
ネタバレBOX
最初の数分でリリの『多重人格』のトリックは見破った!
なんだ、ミミクリってそういうことか……。
そういえば『レオ』って名前は逆さ読みすると『俺』だよな(これは勘ぐりか?)
そんな風に解ったつもりになった自分が恥ずかしい……。
あれは、気づいたんじゃない!仕掛けた側に気づかされていたのだと知ったときは、もはや手遅れでした。
私は自分が『期待マシン』に乗り込んで、彼らと一緒に旅をしているのだと気づきました。
oh-!ブラボー!そして、ブラバー!
では最後に。
お約束的に、私なりのラストの解釈などを。
リリが穴の開いたリンゴ越しにカナタに何を言ったのか?
そしてカナタは何を叫んだのか?
そうですねぇ……。
穴の開いたリンゴを耳につけて聞くと、本心が聞こえるらしいです。
だから、カナタはリリの本心を聞いたのでしょう。
『死ンじまえ』
と……。
そして、次々とリリの心の中に沈んでいた声がカナタの心の中に流れ込んできたのです。
悲しみ、後悔、怒り、苦しみ……狂気!(すず)
そして、それらはカナタの内側で人格を作り出し、人の形を繕うと、カナタの心を聞こうとして穴の開いたリンゴを耳に当てて群がった。
だからカナタは叫んだのです。
『ウルサイ!(静かにしてください)』
こんな私を、みなさんどう思いますか?(黒笑)